雨星血統研究室

新米バーチャル先生、白沢先生と共に血統を一緒に学んでいこう!という感じのブログです

白沢先生の血統解説~番外編 バイアリーターク編~

これはTakkuMattsu(@NorsteinBekkler)さん主催の企画「競馬 Advent Calendar 2019」の参加記事になります。(詳しくは前回の記事の一番下をチェック✨)

白沢先生の血統解説 第7回(ゴールドアリュール編) - 雨星血統研究所

それでは、記事の本題に入ります。

えー、皆さんこんにちは!または初めまして!またはこんばんは!または(ry

バーチャル新米血統学者の雨星 白沢といいます!主にはくたくせんせーと呼ばれています!

この記事を読んでいるあなたは、好きな現役競走馬、何頭ぐらいいますか?10頭?20頭?はたまたそれ以上?

 

なぜいきなりそんな質問をしたのか、その答えを知る前に少しお話三大始祖のお話をしたいと思います。

 

競走馬は血統登録証明書という証明書が交付されて初めて競走馬として登録されます。そのため各競走馬には必ず血統表が存在するのです。そして各馬の父系(いわゆる父、そのまた父...)遡ると3頭の馬に必ず辿り着きます。

 

それがダーレーアラビアンゴドルフィンアラビアンゴドルフィンバルブとも)、バイアリータークといういわゆる三大始祖とも呼ばれてる馬です。

 

さて、三大始祖の軽い解説をした所で先程の現役競走馬の答えでも...わざわざ遡るのは大変だと思いますが、その好きな馬3頭ぐらいの血統表を閲覧し、父系をひたすら辿ってみてください。恐らく高確率でダーレーアラビアンに辿り着くと思います。それもそのはず、世界で走っている現役競走馬の90%はこのダーレーアラビアンから続く父系となっています。ミスプロサンデーサイレンスノーザンダンサーであろうとダーレーアラビアンに辿り着きます。

 

では、他の二頭はどうなんでしょう。まずはゴドルフィンアラビアンなんですが、こちらは現在ではアメリカ出身のマンノウォー系が主な担い手となっています。昔日本で活躍したカルストンライトオサニングデールと言った馬がマンノウォー系出身。今だとストロングタイタンやアルジャンナの母父はマンノウォー系の種牡馬ですね。ちなみに直系は今でもアメリカ、イギリスでは安定した勢力を誇っています。

 

お次にバイアリータークです、ちなみに今回のメインはこのバイアリータークになります。

【18~19世紀を盛り上げた最強血統】

バイアリータークから続く系統は、一頭の名種牡馬、ヘロドによって世界に羽ばたくことになります。このヘロド、競争成績はそこそこだったのですが、種牡馬になってから信じられないほどの大成功をしたんですよ。まず、産駒のハイフライヤーが18世紀最強といわれるほどの強さで種牡馬としても大成功(2回目)、そしてそのハイフライヤーの産駒、サーピーターテイルズもイギリスダービーを勝利、種牡馬としても大成功(3回目)。この三代でイギリスのリーディングを33年間で31回も独占するというチートっぷりを見せました...すぐに滅亡してしまうんですけどね。今いるバイアリーターク系は別のヘロド産駒、ウッドペッカーから続く系統になります。

そのウッドペッカーから、代を経て今度はザテトラークという名馬が再び欧州で旋風を巻き起こしました...こちらも滅亡してしまいましたが...。別のウッドペッカー系の凱旋門賞馬、トウルビヨンの子孫が今のバイアリータークの子孫になります。

【日本でも活躍したバイアリーターク系の名馬たち】

 日本におけるバイアリータークの子孫は主にパーソロンという種牡馬から誕生しています、パーソロンアイルランド産の馬で早熟のスプリンターという特徴が当時日本が求めていたスピードに合致し、日本で種牡馬入りをした馬です。最初こそは牝馬の活躍が多く見られましたが、かの皇帝シンボリルドルフといった牡馬の活躍や天皇賞春を勝利したメジロアサマなどとスプリントに問わず、様々な距離で活躍しました。そのシンボリルドルフからは帝王トウカイテイオーメジロアサマからはメジロティターン、そのメジロティターン産駒にメジロマックイーンと昭和後期~平成初期を大きく日本の競馬界を盛り上げてくれました。

バイアリーターク系の現状】

さて...ここまで長々とついていただきありがとうございます。ようやく現在の話にたどり着きましたね、現在はというと...実は滅亡の危機にさらされてるといっても過言ではありません。なにしろ2019年現在、日本ではギンザグリングラスという馬のみが直系で種牡馬をしているのですが、それでもマイナーの種牡馬なので数頭程度の種付けのみ...。欧州では障害用種牡馬のダイヤモンドボーイという馬が目立つぐらいです、またメルボルンカップなどの長距離GIを勝ち、産駒が勝てば報奨金がもらえることで有名だったドゥーナデンという馬は2019年に若くして亡くなり、GI勝利も騙馬に偏り、これから本当に先が見えない状態が続いている感じです。

【まとめ】

なぜ、今回このような話をしたのかというと、日本ではサンデーサイレンス系が流行し、世界規模ではノーザンダンサー系やミスタープロスペクター系が主流となっていて...こうやって数々の血統が徐々に栄えていく一方、衰退していく血もあるわけです。それはやっぱり仕方ないことなのかもしれません、実績がないものは消え、実績のある者だけが生き残る、縦社会みたいなものですから...。

 

ですが一方では、こうやって現在でも楽しまれている競馬を作り上げた三頭の馬たち...その一頭の子孫が消えかけようとしているのも少し寂しさを感じるところでもあります。今回はそういう単純な歴史を伝えたかっただけです、こういう予想に使わない血統というのも面白いものですよ✨

ちなみに、来週の参加記事はその予想しない血統の面白さを伝えていきたいと思っています!

 

以上、今回のお話はこれまで!最後まで見てくれてありがとうございます!何かわからない質問などがあったらコメントなりリプライなりお願いします!初めて熱く語った気がします、ついていけなかったらごめんなさい、なるべくわかりやすいようにはしたつもりなんです...w