白沢先生の血統解説 第23回 ノーザンテースト編
みなさんこんにちは、血統解説のお時間になりました!白沢先生です!
宝塚記念はこの馬場なら文句なしでクロノジェネシスでしたね、だとしてもシンプルに強すぎですねほんと、ご時世が許すなら海外遠征も視野に入れてもいいのではないでしょうか、お父さんバゴちゃんですし、バゴ自身も凱旋門賞取っていますし面白いと思いますね。
というわけで今回は日本のノーザンダンサー系先駆者、ノーザンテーストについてのお話になります!何といっても社台グループ繁栄の礎で日本競馬に多大な影響を与えましたので、やはり最初はノーザンテーストからお話したかったんですよね。ではさっそく参りましょう✨
Northern Taste(ノーザンテースト)
ノーザンテーストは1971年にカナダで誕生したノーザンダンサー産駒、1972年のアメリカでのセリ市で日本人の吉田照哉氏(現社台ファーム代表)が購入しました。
実はこの時、照哉氏は父の吉田善哉氏に「一番見栄えがいいノーザンダンサー産駒を買ってこい」と言われており、将来種牡馬にすること前提での購入でした。
このノーザンテーストの名前の由来、これがまたユニークなんですよね
善哉氏「お疲れさん、日本に帰ってきたら何が食べたい?」
照哉氏「北海道の魚(寿司説もある)が食べたいね」
善哉氏「寿司...北海道の味...ノーザンダンサー...北の踊り子...北の味!!ノーザンテースト!!!」
照哉氏「??????????」
※ちょっと面白おかしく説明したので一部フィクションが含まれている場合があります
という理由でノーザンテーストと名付けられました、ちょっとユニークですよね、そう思いません?(笑)
そうしたエピソードを持つノーザンテーストは、まずは競走馬として活躍させるべく、フランスでデビューすることになります
競走成績~いまいちパッとしません~
2歳になったノーザンテーストは初戦、2戦目は3着2着と敗れたものの3戦目のGⅢエクリプス賞で初勝利を収めると、GⅢトーマブリョン賞でも勝利し重賞2連勝、4戦2勝で2歳シーズンを終えます。この2連勝が大きかったか、クラシック有力候補に名乗りを上げることになりました。
そして3歳緒戦ジェベル賞でも勝利し、これで3連勝となります。こうして次はクラシック、フランス2000ギニーに挑戦する...かと思いきや陣営は本場イギリスの2000ギニーに挑むことにさせました。(ちなみにジェベル賞の2着馬がフランス2000ギニーを勝ってます)
イギリス2000ギニーでは4着に敗退、次のダービーでは道中後方で差し勝負になってしまいの5着、フランスに帰ってGⅢを2戦するも3着5着と何とも言えない結果に。それ以降は距離に壁があると判断して、短距離マイル路線にシフトすることになります。そしてマイルGⅢのロンポワン賞では豪華メンツの中で大接戦の4着、次のGⅠムーランドロンシャン賞では2着、勝ちきれないレースが続く中挑む3歳8戦目、GⅠフォレ賞、ここでようやく勝利、晴れてGⅠホースの称号を得ることに!
...と得た後は調子を崩し始め勝ちきれないレースが続き、4歳となってはリステッド競走を一勝したのみで引退することになりました。通算成績は20戦5勝とそこそこの実力を得て日本に行くこととなりました。
種牡馬成績~日本発のノーザンダンサー系の誕生~
引退後は予定通り、日本の社台スタリオンステーションで供用されることに。しかしながら周りの評判は見た目から「犬みたいな馬だな」「牛かな??」「アメリカからヤギでも買ってきたのか」などとなかなかきつい言葉を投げつけられたこともあったそうです。あとは自身の成績からも短距離の早熟馬が多そうでとても中長距離こなせそうにはないとも言われてました。
そして初産駒が2歳になった1979年、産駒たちの活躍により最初の二歳リーディングサイアーに輝き、実際早熟気味かと思われ、結果少し種牡馬として多少の人気を落すことになります。しかしながら、初年度産駒が古馬になったところで覚醒したアンバーシャダイが有馬記念と天皇賞春を制覇、さっそくG1馬の父に、それ以降ノーザンテーストは一気に大物種牡馬へと成り上がり1982~1993、11年連続の中央競馬リーディングサイアーというとてつもない記録をたたき出します。
代表産駒には先ほど述べたアンバーシャダイ、天皇賞秋勝ち馬ギャロップダイナ、オークスを制し今もなお血統表に残る名牝ダイナカール、ダービー勝ち馬ダイナガリバーなどと大物ぞろい!
また母父としてもとてつもない実績を誇っており、ダイワメジャー、ダイワスカーレット、サッカーボーイ...多すぎるので割愛します、あとは自分で調べてみてください(笑)
ノーザンテーストは時代遅れの傍流血統の集いとも言われていた日本競馬を、当時のトレンドでもあったノーザンダンサー系の繁栄に成功させ、さらに産駒のアンバーシャダイがメジロライアンを輩出し、後継にも成功するなどノーザンテースト系を確立させることに成功しました!
では、現在のノーザンテースト系の種牡馬って何しているのでしょうか?答えは次のお話に書いておきます
血統解説と現状~ノーザンテーストをもっと知ろう!!~
父は以前解説したノーザンダンサー、母はレディヴィクトリアという馬で母父がヴィクトリアパークという血統です。ヴィクトリアパークはカナダの名馬で二歳三歳最優秀牡馬にも輝いておりカナダ競馬殿堂入りの馬になります。ちなみに母のレディヴィクトリアはノーザンダンサーの父ニアークティックの半妹...あれ?
そうなんです、ノーザンテーストって母母と、父父母が同じという実はかなりの近親配合の血統なんですよね!(人間で例えると、自分の叔母と結婚して子供作ったみたいな感じです、キャー!!)
ノーザンテーストの特徴は万能!とにかく距離、ダート問わず、自分のベストの条件だったら強い!!というチートみたいなタイプです!
そしてこの馬を語るのに必要な言葉があります
「ノーザンテーストは三度変わる」
ノーザンテーストは二歳の時から成長、また古馬になって成長するという二段ブーストのような馬が多かったとも言われています。このノーザンテーストの格言を実際に実現させたのがラッキーライラックだとは先生は思ってますよ(父のオルフェーヴルがノーザンテースト持ち)。
そして本題に入りますが、さっきから血を持っている馬はいるけど直系の話は全然しないですねと思っている方もいると思いますが。
その通りです、現在日本にはノーザンテースト系種牡馬は存在しませんし直系の出走も0です...何とも言えませんよね、これが栄枯盛衰ということなのでしょうか。こんな血統を大事にしなかった日本馬産もおかしいと批判している方もいれば、実際に活躍馬に牝馬が多かったから仕方ないという方もいます。そこは個人の考えなので何も言いませんが。
ちなみに中国競馬では直系が走っているとは聞いたことがありますが、現在はどうなんでしょうか、あまりあの国の競馬事情は謎に包まれすぎてわからないです。
まとめ~本日のおさらい~
要するにまとめるとこんな感じになるよ!
はい、というわけで今回のお話はここまでとなります!こんなにすごい種牡馬でも直系が残らないとは本当に子孫の繁栄は難しい!そんなことも感じさせるような馬だとは思います。
今回のお話で何か質問があれば、こちらのほうで受け付けますのでよろしくお願いします✨
匿名で聞けちゃう!雨星 白沢@競馬Styleさんの質問箱です | Peing -質問箱-
次回は...正直どのノーザンダンサー系から話せばいいかわからない!!気分で話しやすそうなところからお話していきます。よろしくお願いします!あと最後にですが、血統や種牡馬について疑問に思ったことをマシュマロの方で募集していますのでこちらの方もよろしくお願いします✨
ではでは、最後まで受講ありがとうございます!また次回お待ちしております!