雨星血統研究室

新米バーチャル先生、白沢先生と共に血統を一緒に学んでいこう!という感じのブログです

白沢先生の血統解説 第24回 ニジンスキー編(前編)

今回も受講ありがとうございます!白沢先生です!夏競馬が本格的に始まりましたね、夏競馬といえば何といっても難解で大変難しいかと思います。安心してください、先生何一つ重賞的中していませんから、まあでも難解だからこそ高配当が期待できるというのもありますね。めげずにこれからも頑張っていきたいなと思います。

 

そして、今年はあの名馬ニジンスキーがイギリス三冠を取って50年目の節目であります、セントレジャーの価値が下がったこともあってかニジンスキー以降イギリスでは三冠馬は出ていません(2冠取ったら凱旋門とか行くのが今の欧州競馬)。

さて、というわけで今回はニジンスキー編に入ります!競走馬としてはノーザンダンサー産駒の中では最高傑作とも呼ばれ、種牡馬としても一流の実績を誇るまさにパーフェクトの名がふさわしい名馬ですので、いろいろ学んでいきましょう✨

 

 

NijinskyⅡ(ニジンスキー

馬名の由来は知る人ぞ知る伝説のバレエダンサー、ヴァーツラフ・ニジンスキーから由来し、父の「Dancer(踊り子)」つながりでもある。そのヴァーツラフ・ニジンスキーも「生まれ変わったら馬になりたい」と語っていた噂もあり、この地点でこの馬の運命は決まっていたかもしれないですね...

ノーザンダンサー自身はかなり小柄な馬体だったというのは以前お話しましたが、この馬は例外中の例外で、しっかりとした馬体でバランスもよく、更には顔までイケメンというパーフェクトな馬だったらしいです。そんなニジンスキーですが、セリでイギリスの名調教師V・オブライエン氏が本馬に釘付けになりカナダ産馬最高額で落札され、アイルランドの馬としてデビューすることになりました

競走成績~史上4頭目の無敗のイギリス三冠馬

2歳から始まる連勝街道

 2歳7月のカラ競馬場未勝利戦でデビュー、圧倒的一番人気に支持された本馬ですが、そこまで圧倒的なパフォーマンスを披露するということもなく普通に半馬身差で勝利します。2戦目はアイルランドでは有名な2歳戦である、レイルウェイステークス(現G2)に出走、2着馬に5馬身差をつけて圧勝します。そして3戦目のオープン戦、アングルシーステークスでも2着馬に3馬身差つけて勝利...続いて4戦目では3/4馬身差つけて勝利します。

そして舞台はアイルランドからイギリスに、欧州2歳王者決定戦として名高いデューハーストステークスに出走します。ここでも圧倒的一番人気に支持されたニジンスキー、6頭立て最後方から思いっきり差し切るというパフォーマンスで勝利します。もう文句なしです、堂々の2歳王者に輝くことになりもちろんクラシック最有力候補となりました。これがニジンスキーの2歳の戦績になります、5戦5勝、文句なしのパフォーマンスはどこまで行くのか...!

2歳王者の貫禄

3歳となったニジンスキーアイルランドに戻り4月から復帰。初戦はオープンで初の古馬混合戦、さらに不良馬場というニジンスキーにとってはよくないコンディションでしたが、ここでも格が違う走りをこなし2着馬に5馬身差の快勝で、クラシックに挑むことになります。

クラシック初戦のイギリス2000ギニー、ここも文句なしの一番人気で...はい、勝っちゃいます。このレースにもイエローゴッド(後に日本で種牡馬として活躍)といった馬がいましたがそんなの関係なしです、そのイエローゴッド2馬身半差つけて勝っちゃいました。

そして次はなんといっても3歳の花形レース、イギリスダービー。ここでも圧倒的に1番人気...というわけではありませんでした。なぜなら、父のノーザンダンサーが長距離のベルモントステークスで敗れていたことと、そのスピードで差し切るニジンスキーには距離が持たないのでは、という距離不安説が囁かれていたからです。さらにレース2日前に疝痛を発生してしまいます、もはや出走できるかどうか危うかったコンディションで挑むことになったニジンスキー、そんなコンディションで大丈夫ですか...?

はい、問題なかったです。なんなら僅差でもなく2馬身差で勝ってます。数々の実力馬を簡単に下したそのポテンシャルは、落ちても全く問題がなかった勝ちっぷりでした。そしてアイルランドに戻った後、アイルランドダービーを馬なりで勝っちゃったりと相変わらずの実力を見せました。その後またイギリスに遠征し、ここでは初の古馬GⅠで欧州最高峰の古馬GⅠであるキングジョージ6世&クイーンエリザベスステークスに出走します。ここでもニジンスキーは格が違いを見せつけ、普通に勝ちます。この勝利の後、ニジンスキー凱旋門賞→米マンノウォーステークスに出走するプランを立てますが、アクシデントが発生してしまいます。

最大の危機、そして・・・

ニジンスキーは皮膚病になってしまいます、その症状はかなりひどく、鬣が全て落ち鞭が触れるだけで出血するぐらいなものでした。結局この症状が治った時には夏を越しており、スケジュールがぐちゃぐちゃになってしまいました。

凱旋門までに一叩きしたい...結果、選ばれたレースはイギリスセントレジャーステークス、クラシック三冠目になります。そうなんです、実際このレースは使うつもりがなかったんです。なぜかというと、最初に書いたとおりでこの当時からセントレジャーステークスの価値が下がっていたからです。なので、ダービーが終われば古馬と戦うというローテーションが当たり前になっていました。

そのセントレジャーステークスでも1馬身差で勝利...ニジンスキーは35年ぶりの三冠馬となり、そして史上4頭目の無敗の三冠馬となりました!しかしながら、無理に使ったせいか体重が激減してしまったそうです。

ニジンスキー、敗北

そして、凱旋門賞に出走、圧倒的一番人気と無敗の三冠馬あってかマスコミや観客の注目の的になってしまいニジンスキーはテンション上がり、発汗という最悪なコンディションで挑むことになります(なんかコンディション悪いこと多いですね)

そして...ここも勝つと思われていました、伸びていたんだけど、今までの疲れやコンディションやローテ狂いが影響したかは分かりませんが僅差の2着に敗れました。実際に見たことは当然ないのですが...それはかなりのお葬式モードだったでしょうね...

そしてこの後、チャンピオンステークスでも激しいイレ込みと発汗があってか2着に敗れ、引退することとなりました。もう騎手も調教師も「闘志を失っていた」と発言していたそうです。通算成績13戦11勝、強すぎ...

ここまでがニジンスキーの実績になりました!長すぎ!次行くよ!!

種牡馬成績~ノーザンダンサーを受け継ぐもの~

引退後はアメリカで種牡馬入り、今さらなんですがなぜ「Nijinsky 」と呼ばれているかというと、アメリカに同じNijinskyという馬が既にいたためⅡがつけられています。

父のノーザンダンサーがまだまだ現役であったがそれに負けじとニジンスキーもものすごい実力を見せつけました。産駒のステークスウイナーは父を上回り、1986年英愛リーディングサイアーにもなってます。またその産駒が種牡馬となり、それなりに成功を遂げたため、ノーザンダンサーの血を更に拡大させることとなりました。

代表産駒はフランスリーディングサイアーにもなったことがあるグリーンダンサー、日本に多大な影響を与え、英愛リーディングサイアーに輝いたカーリアン、最近ではウマ娘で有名なスーパーカーマルゼンスキーなどが挙げられます、あと色んな意味で話題になったラムタラニジンスキー産駒になりますまた詳しくは次回の後編でお話します✨

↓多分後編のURLが貼られてます

 

血統解説と現状~ニジンスキーをもっと知ろう!!~

父は名種牡馬ノーザンダンサー、母のフレーミングペイジは競走成績16戦4勝でカナダのダービー、オークスを制し、アメリカのケンタッキーオークス二着の経験がある超実力馬。つまり生まれながら期待されていた超良血の馬でした。また母の母フレアリングトップから続く牝系はかなり優秀な牝系としても有名ですね、日本だとスーパーホーネットが代表されます、またさらに母の母...を辿っていくとTorpenhowという馬にたどり着きます、この馬はアーモンドアイの8代母だったりするんですよね。(気になった方は牝系 8-f号族で検索!)

ニジンスキーと言えばやっぱり底力に特化した馬が多いですね、瞬発力を持つ馬は少ないものの、道悪や厳しいペースでこそ力を出せる馬が多いです。よくスタミナのニジンスキーとも言われたりしますが、スタミナ一辺倒ではなく、短距離もこなしますよ。予想するなら馬にとってつらいレースを見極めていくといいかもしれませんね。

またサンデー系と相性が良く、母父ニジンスキー系のサンデー系種牡馬だとスペシャルウィーク、ダンスインザダークが挙げられます。母父ニジンスキー系のサンデー系活躍馬だとフィエールマン、ブエナビスタ&ジョワドヴィーヴル姉妹、ヒルノダムールジョーカプチーノ、サリオスといった馬が代表例ですね。(もっといると思うけど割愛)

そんなニジンスキー系ですが、衰退気味かなという印象、以前まではカーリアングリーンダンサー辺りが頑張ってましたが勢いが落ちている感じです。2011年の凱旋門賞デインドリームニジンスキー系だったってぐらいですかね、まぁ...次に解説するサドラーズウェルズがやばすぎたのもありますね。

まとめ~本日のおさらい~

要するにまとめるとこんな感じになるよ!

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はい、というわけで今回のお話はここまでとなります!いやー...4000文字ぐらいになってしまって大変申し訳ない、導入が若干今回は多かったのも原因ですね。ただニジンスキーってかっこいいんですよ、

今回のお話で何か質問があれば、こちらのほうで受け付けますのでよろしくお願いします✨

匿名で聞けちゃう!雨星 白沢@競馬Styleさんの質問箱です | Peing -質問箱-

次回はニジンスキー種牡馬のお話になります。よろしくお願いします!あと最後にですが、血統や種牡馬について疑問に思ったことをマシュマロの方で募集していますのでこちらの方もよろしくお願いします✨

marshmallow-qa.com

ではでは、最後まで受講ありがとうございます!また次回お待ちしております!