白沢先生の血統解説 第18回 シーキングザゴールド編(後編)
今週も受講ありがとうございます!白沢先生です!早速ですが、先週の主な重賞を素早く振り返りましょうw
土曜日はファルコンステークスをシャインガーネットが制しました。オルフェーヴル産駒は好調キープ、リーディングも4位とようやく力を出してる印象です。
そして中山牝馬ステークス、大雪の中制したのはフェアリーポルカでした。ルーラーシップ産駒、トゥザヴィクトリーやリオンリオンなどを輩出したことで有名なフェアリードール一族出身ですね。
次は日曜日、まずは金鯱賞、やっぱりサートゥルナーリアは強かったですね。これは大阪杯、面白いことになりそうですね...このサートゥルナーリアの活躍により、ロードカナロアの中央リーディングは2位に浮上。しかし勝利頭数だとハーツクライの方が上であり、これからも激しい戦いになりそうですね。
フィリーズレビューではエーポスが最後にヤマカツマーメイドを捕らえて勝利、ジャスタウェイ産駒の3歳重賞での勝利はこれが初めてです。少しは俺は晩成じゃねぇというのを見せつけてくれたのかなと思います。しかしリーディング上位陣の中では勝率が乏しい印象、もう少し頑張って欲しいかなと個人的には感じます。
さて、今回はシーキングザゴールド系後半、現在のシーキングザゴールド系種牡馬について語っていきますよ~✨
前回の記事はこちら↓
Dubai Millennium(ドバイミレニアム)
シーキングザゴールドの最高傑作といえばやっぱりこの馬じゃないでしょうか。元々はヤゼールという名前にする予定でしたが、ゴドルフィンの長であるシェイク・モハメド氏が
「この馬すげぇ...絶対2000年のドバイワールドカップ勝つ逸材だわ...」
という理由で、ドバイミレニアム(千年紀、Millenniumのドバイワールドカップに勝つ)という名前に急遽変更され欧州でデビューしました。
名前負けせずに、その怪物っぷりを発揮したドバイミレニアム。ダービーは距離不安もあってか9着と惨敗するものの、マイル路線に行ってからは一度も負けることはなくついに2000年のドバイワールドカップに出走することに。
そのドバイワールドカップで2着馬に6馬身差をつける楽逃げでの勝利、本当に勝ってしまうところが恐ろしすぎる...
次走のイギリスの古馬GIプリンスオブウェールズSをまた楽逃げで勝利後、故障発生で引退しました。実はエピソードとして、脚質は逃げではなく差し馬で、道中のスピードから異次元な速さだったから逃げに感じるだけというわけの分からない話があります。でも確かに、直線入ってからさらに加速しているので本質は差し馬なのかもしれませんね...()
種牡馬成績
引退後はイギリスの名門(まあゴドルフィンの傘下ですが)、ダルハムホールスタッドで種牡馬をすることになりました。保険金もとんでもない額で期待をされていましたが、細菌感染による難病で5歳という若さで亡くなってしまいます...。
残せた産駒は50頭近くの1世代のみ、そんな状況の中でも怪物はやっぱり違いました。
この中から重賞勝ち馬が3頭、その中に欧州GIを3勝した孝行息子、ドバウィがいます。たった1世代から血を繋ぐものが現れた、さあドバイミレニアムの血はどうなっていくんでしょうか!シーキングザゴールド系の運命は!
血統のお話
父はシーキングザゴールドなので省略、母はフランス重賞を2勝しているコロラドダンサーという血統。さらにその母フォールアスペンがとてつもない繁殖牝馬として有名です、フォールアスペンの子にはコロラドダンサー以外にも重賞勝ち馬を8頭輩出しており、その中にアドマイヤドンの父で有名なティンバーカントリーがいます。
ちなみに、全弟のダージーは日本でも種牡馬していました。傾向としては...なにしろサンプルが1世代しかいないので今回は省略させていただきますね...
Dubawi(ドバウィ)
怪物ドバイミレニアムの血を受け継ぎ、アイリッシュ2000ギニーやジャックルマロワ賞など計GI3勝、ジャックルマロワ賞は父子制覇を成し遂げるなど一流の名馬です...!
父同様距離の壁に阻まれたか、ダービーを勝つことは出来ませんでしたが(それでも3着と父には勝っている)、この馬もマイル戦線では父同様に強かったですね...ジャックルマロワ賞を制した後、GIクイーンエリザベス二世Sで2着に敗れ、その後に靭帯損傷が発覚し引退しました。
種牡馬成績
2006年から父同様ダルハムホールスタッドで種牡馬生活を送ることに、そして2009年から産駒がデビューすると早速1世代目からGI馬を9頭輩出!そして毎年のように大レースに産駒を送り込み一気に一流種牡馬の仲間入りに...!今でも欧州の種牡馬リーディング最上位にいたりと見事シーキングザゴールド系の繁栄に成功させました...!たった1世代の子供を残して亡くなった父の血を、ここまで広めてくれた孝行息子...凄くないですか?やっぱりすごいなドバウィは...
代表産駒は、初年度産駒で親子3世代でジャックルマロワ賞を制したイギリス2000ギニー勝ち馬マクフィ、ドバイワールドカップを制し日本で現在種牡馬生活を送るモンテロッソ、最近だとトゥーダーンホット、ガイヤースも日本では聞き馴染みがあるのではないでしょうか?
ちなみにマクフィも現在日本で種牡馬を送っており、今年産駒がデビューします✨
血統と傾向
父は省略、母のゾマラダーはイタリアオークス馬でこちらも牝系からGI馬を多数輩出している良血一族です。母父はあまり聞き馴染みのないディプロイという馬ですが、シャーリーハイツ産駒、アイルランドダービー2着が最高実績で半兄弟にコマンダーインチーフ、ウォーニングと日本でも聞き馴染みのある海外のGIホースがいたため種牡馬となりました。ちなみに産駒はゾマラダー以外にGI馬はいませんね...
そんなドバウィの傾向ですが、父のドバイミレニアムより欧州色の強い配合でパワーとが強い血統になってます。そうなってくると若干日本では活躍馬が出にくいかなという印象です、馬場が重くなると穴をあけることもあります。
実際に今回の中山牝馬ステークスでは、ドバウィ系種牡馬モンテロッソ産駒のリュヌルージュが2着と穴を開けましたね✨(買ってない)
モンテロッソ
日本にいるドバウィ産駒の種牡馬といえばモンテロッソですね!競走馬時代ではドバイワールドカップを人気薄で勝った以外にGI勝利はなかったですが、イギリスとドバイの芝の重賞を2勝しています。ちなみに引退理由が調教師の禁止薬物発覚による影響らしいですよ()
種牡馬成績
2014年に日本初のドバウィ産駒の種牡馬として、ダーレー・ジャパン・スタリオン・コンプレックスで種牡馬生活を開始。2017年に産駒がデビューしてます!今のところ大きな重賞を勝ったという馬は現れていませんが、先ほど言ったようにリュヌルージュが中山牝馬ステークス2着、そしてリンゾウチャネルが北海道三冠(道営三冠)を達成したりしています。
血統と傾向
母のポルトロカはオーストラリアでGIを1勝しており、産駒はモンテロッソ以外には目立たない感じです、母父のバラシアは短距離やマイラーをよく輩出している馬で、その母父からスピードを受け継ぎ、父から馬力を受け継いだ馬だと考えられます。さらに日本競馬には無い血を包括しているのも特徴です(サンデーサイレンスとか)
そのためもあってか、産駒は1600~2000辺りを好み、ダートもこなすことが多いです。特に、馬場が湿ったダートは狙い目だと思います✨
その他のシーキングザゴールド系
ここでは日本で馴染み深い思い出のシーキングザゴールド系を少しだけ語ります
シーキングザパール
こちらは牝馬ですが、日本でもなじみ深いので少しだけ。日本調教馬として初めて欧州のGIを勝利し、美しい牝馬としても有名ですね...!
産駒としてはベストシルバーコレクター、シーキングザダイヤを輩出し、そのシーキングザダイヤはチリ競馬で現在活躍しています...!
マイネルラヴ
そんなシーキングザパールを国内で負かしたシーキングザゴールド産駒がこのマイネルラヴ!スプリンターズステークスで勝ちましたね...!シーキングザゴールド系らしいスピードを持っており、産駒も短距離寄りの馬でした。
後継としては目立つ馬はいませんでしたが、母父としてJBCスプリントに勝利したドリームバレンチノを輩出、後継種牡馬となっています。
いやー...多すぎた、シンプルに最近文字数が多いですね...まとめて書く技術をもう少し欲しいところですね。このブログも続けて半年経つわけなんですが、まだまだ奥深いところが血統にはまだまだ存在するなと思いました✨
まだまだ未熟者ですが、これからもこの雨星血統研究室、嗜むレベルでぜひぜひ受講しに来てください...!
何か質問があれば、こちらのほうで受け付けますのでよろしくお願いします✨
匿名で聞けちゃう!雨星 白沢@競馬Styleさんの質問箱です | Peing -質問箱-
ではでは、最後まで受講ありがとうございます!次回は質問箱に来たゴーンウエスト 編になります!また来週も受講しに来てくださいませ...!