雨星血統研究室

新米バーチャル先生、白沢先生と共に血統を一緒に学んでいこう!という感じのブログです

白沢先生の血統解説 第21回 色々なミスプロ系種牡馬編

みなさん二週間ぶりです、白沢先生です!最近はやけに忙しくて書く時間が少なくなっている現状ですね...まぁでも何とかなるでしょう、頑張ります!というわけで今回はミスプロ編最後の記事になります、一時期日本で活躍したミスプロ系輸入種牡馬4頭について見ていきましょう!

 

King Gloriousキンググローリアス

最初に紹介するのはキンググローリアス、日本で最初に導入されたミスプロ系のGⅠホースになります。競走馬時代は2歳こそ無敗でGIを制す最強馬の一角でしたが、3歳時に故障発生しクラシックを断念、さらに同期にサンデーサイレンスイージーゴアという二強が現れ、別路線でGIを2勝目をマークしましたが、結局その二強と戦うことなくして引退してます。

種牡馬成績

前述のとおり、引退後は日本の日本軽種馬協会で供用、日本初のミスプロ系GI種牡馬の導入となりました。1993年に初年度産駒がデビュー、ミスプロ系特有の仕上がりの早さを武器に新種牡馬リーディング、2歳リーディングを獲得すると、翌年にはクラシック戦線でナムラコクオーが活躍しました!しかし、そんなキンググローリアスにも暗雲がたちこみます。そう、同期の二強のうちの一頭、サンデーサイレンスが日本で種牡馬入りし産駒を翌年から送り出したのです。結局サンデーサイレンスには種牡馬としては勝つことが出来ず、最高リーディングは14位となっています。代表産駒は前述したナムラコクオー、ダービー2着馬ボールドエンペラーフィリーズレビューフローラステークスを制したマックスキャンドゥといった馬が挙げられます。

血統と現在のキンググローリアスの血

父のNaevusはGIIで1着で降着という珍しい実績を持つミスプロ産駒、産駒もキンググローリアス以外は目立った実績もないマイナー寄りの種牡馬、母も未出走馬、近親にも活躍馬が4代先までたどらないといないという渋めの血統です。

現在は後継種牡馬はおそらくいませんね...一応東海ステークスを制したワンダースピートが1世代だけ種牡馬をしていました。母父としても活躍の方がみられない感じなので、ちょっと見つけたらレアだと思ってください(笑)

Jade Robberyジェイドロバリー

お次はジェイドロバリー、日本のミスプロ種牡馬として初めてリーディング上位に入った日本のミスプロ系の先駆者ともいえる存在です。

現役時代はフランス2歳GI、グランクリテリウム(現ジャン・リュック・ラガルデール賞)を制し2歳最強牡馬となりましたが、その後は勝つことが出来ず早めに引退し、種牡馬入りをしました。

種牡馬成績

馬主が社台の吉田善哉さんということもあって、引退後は社台スタリオンステーションで供用されました。1994年に産駒がデビューし初年度から産駒が活躍し、1996~2003で種牡馬リーディングトップテンという実績を持ち、さらに1997~1999はダートリーディングサイアーに輝いています!サンデーサイレンスと同時期に種牡馬デビューでここまでの実績を得たのはすごいことだと思います。

代表産駒はマイルCS南部杯を制したタイキシャーロック、そして阪神3歳牝馬ステークス(現阪神ジュベナイルフィリーズ)を制したヤマカツスズランなどダートだけではなく、しっかりと芝でも実績を残しています。

血統と現在のジェイドロバリーの血

父はミスタープロスペクター、母のナンバーは北米で8勝、実はこのナンバーの半妹に名種牡馬ヌレイエフ、甥にサドラーズウェルズとフェアリーキングといったこってこてのヨーロピアンの血が詰まった血統になっているんですよね。仕上がりが早く、スピードが出るダートが得意だったため、まさにミスプロ系の良さを満遍なく生かしたといえます。そんなジェイドロバリーですが、後継種牡馬が地方で活躍する程度で確か今は残ってなかった気がしますね。母父としては障害馬キングジョイや、ダート馬メイショウトウコンが出ていたりします。しかし、ここ最近母母父としてメイショウマンボレッツゴードンキ、ウインブライトを輩出。まだまだ見限れない良血馬なので今後も注目したいですね!

Afreet(アフリート)

お次はアフリート、カナダ出身のミスプロ産駒です。デビューが3歳の5月と遅めだったためクラシック出走には届かなかったですが、カナダで6戦4勝した後アメリカを主戦に移し、そこで安定した成績を誇りカナダの最優秀3歳牡馬、年度代表馬になった名馬です。

種牡馬成績

最初はアメリカで種牡馬入りしましたが、そこまで強いのでない、日本での持込馬が活躍し日本が購入したがっていたこともあり日本に売却する流れで日本にやってきました(その後残された産駒がアメリカで活躍した)。その後、日本のブリーダーズスタリオンステーションで供用され日本での初年度産駒は1998年からデビュー、勝ち上がりの良さを武器に1999~2004で種牡馬リーディングトップテン入り、同じミスプロ系の種牡馬であるジェイドロバリーにとって代わって2000~2002でダートリーディングサイアーにも輝きました。日本での代表産駒はやはり桜花賞プリモディーネ、そしてダート短距離をにぎわせたスターリングローズなどがいます。

血統と現在のアフリートの血

父はミスタープロスペクター、母のポライトレディは9戦7勝で重賞を3勝。近親にそれといった活躍馬はいませんが、朝日杯FSを制したコスモサンビームと同じ牝系だったりします。前述したとおり、勝ち上がりが尋常じゃないことで有名でした。年間の勝ち上がりは驚異の70%推移、活躍は芝よりもダートになります。

現在のアフリートですが、後継種牡馬は先ほど挙げた2頭よりも恵まれており、スターリングローズバンブーエール種牡馬として血を後世に受け継いでいます。また、母父としての活躍も高くノボジャック、ニシケンモノノフといったダート馬を輩出しています。また、インティもアフリートの血を持っていたりします。この活躍により、ますます日本でミスプロ系が期待されるようになりました...そして、あの名(迷)馬が導入されます。

War Emblemウォーエンブレム

というわけで、ここで名(迷)種牡馬ウォーエンブレムの登場です。競走馬時代はアメリカ2冠(ケンタッキーダービープリークネスステークス)を達成した超良血の馬です、引退後は馬主が亡くなったことでセリにかけられ、社台グループが買収することになりました。

種牡馬成績

社台グループはこのウォーエンブレムにとても期待をしてました。この当時の社台は名種牡馬サンデーサイレンスが亡くなり、さらに導入した同じミスプロ系のエンドスウィープキングマンボ産駒エルコンドルパサーが早世したりと大変なことになってました。そこで導入したのがサンデーサイレンスと同じ2冠馬、ウォーエンブレムでした。こういう経緯で導入されたわけなのですが

牝 馬 に 興 味 を も た な い

というとんでもない癖馬だったんです、どうにかして社台グループは種付けを試みますが栗毛の小柄の牝馬にしか興味をもたないという性癖問題を抱えた結果、つねに種付け頭数は一桁、圧倒的に問題児としてずっこけてしまいました。

しかしながら、その数少ない産駒から秋華賞ブラックエンブレム、2歳女王ローブティサージュ、ダートで活躍中のオールブラッシュを輩出しており、種付けがうまくできていたらなぁ...という結果になりました。

血統と現在のウォーエンブレムの血

父はミスタープロスペクターと13戦13勝という怪物牝馬パーソナルエンスンの子というアメリカの超良血アワエンブレム、アワエンブレム自身は重賞勝ちはありませんでした。母父のロードアトウォーはアルゼンチンとアメリカで活躍した馬。牝系はブレイヴェストローマンが出ているぐらいでそこまで目立つ牝系ではないです。このウォーエンブレムは日本で活躍した血を1滴も入ってなかったことも日本に導入された理由にもなっています。

現在のウォーエンブレムですが、後継はなんとかシビルウォーが頑張っているぐらいですね...まぁ頭数も少なかったですし後継を作るのは難しかったかもしれません。母父としてはブラックエンブレムの子が頑張っており、ウィクトーリア、アストラエンブレム、ブライトエンブレム兄妹を輩出、さらにスカーレットカラーが去年の府中牝馬ステークスを制しているなど、現代でも影響を与えています。

 

さて、というわけでミスプロ編、これにて完結です!!さすが20世紀の名種牡馬...頭数が多くて大変でした、これでも5割近くしか解説してないと思います。本当に多いですね...

今回のお話で何か質問があれば、こちらのほうで受け付けますのでよろしくお願いします✨

匿名で聞けちゃう!雨星 白沢@競馬Styleさんの質問箱です | Peing -質問箱-

次回は...おそらくノーザンダンサー編の導入か、先週話した通り、血統の歴史について語りたいと思います。よろしくお願いします!あと最後にですが、血統や種牡馬について疑問に思ったことをマシュマロの方で募集していますのでこちらの方もよろしくお願いします✨

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ではでは、最後まで受講ありがとうございます!また次回お待ちしております!