雨星血統研究室

新米バーチャル先生、白沢先生と共に血統を一緒に学んでいこう!という感じのブログです

白沢先生の血統解説 第15回 ファピアノ編(前編)

今週も受講ありがとうございます!白沢先生です!

というわけでまずは先週の競馬からお話していきましょう!先週はクイーンカップ京都記念共同通信杯と3つの重賞が行われ、それぞれディープインパクト産駒ミヤマザクラ、バゴ産駒クロノジェネシス、New Approach産駒の外国産馬ダーリントンホールが制しました...!特にクロノジェネシスの走りは驚きましたね...やっぱりタフで力が必要な馬場は得意なのかもしれません、秋華賞稍重でしたしね。バゴ産駒は成長力にかけるタイプが多いのでここからが本番ですね、楽しみです✨

 

では、今回からファピアノ編です。最近では母父に入っている競走馬も増えてきたのでしっかり押さえておきましょう!

競走成績

 アメリカの有名調教師ジョン・A・ネルド氏が経営する牧場で誕生したファピアノ、血統もその調教師ゆかりの血統ですがまあ後程。ミスタープロスペクターの2世代目で、その当時はまだ無名種牡馬であり、そういうこともあってか本馬もさほど期待されていませんでした。

 2歳初戦は4着、2戦目で勝ち上がり、次戦のスプリント戦ではコースレコードの圧勝し、このレースでの圧勝と血統面から陣営は3歳クラシック路線にコマを進めず、そのまま短距離路線に行くこととなりました。

 そして3歳シーズン、初戦の一般競争を勝利し、さらに2戦した後にファピアノは重賞に挑戦することになります。そして初重賞のGIIで2着、次のGIIでも2着ともうひと踏ん張りが足りないレースが続きました。そしてこの成績でGI、ヴォスバーグステークスでは5着と微妙な着順でしたが、3歳最後のGIIIレースで快勝!めでたく重賞馬の仲間入りを果たします...!

 そして4歳になったファピアノ、初戦こそ3着に敗れたものの次戦は4馬身差の圧勝、そして再びGI挑戦、メトロポリタンハンデキャップで勝利し、晴れてGI馬の仲間入りに...!このレースがマイルだったこともあってなのか、中距離も視野に入れることになりました。

その後は、中距離GIに挑戦し2着、一戦ハンデレースを使いここは圧勝、そして最後のレースとなったGIマールボロC招待ハンデキャップに出走しました。対戦相手の層の厚さは本馬が今まで出走したレースの中で最も高く、現役米国最強3歳牡馬プレザントコロニータップダンスシチーの祖父)や前年のエクリプス賞最優秀古馬牝馬グローリアスソングシングスピールの母)などがいる最強クラスのレースでした...!このレース好走することが出来ず、5着に敗れ、引退しました。

競走成績17戦10勝、ガチガチのスプリンターなのかと思っていたらマイルや中距離も普通にこなしちゃった馬。まあ初期の産駒って父の傾向から掴むことも多いのでらしいっといったららしいですね...さて、お次に種牡馬成績にまいります✨

種牡馬成績

 引退後は生まれ故郷の牧場で種牡馬入りすることとなりました。その当時に父のミスタープロスペクターが活躍し始め、ファピアノも期待が大きくかかりました。牧場はフロリダ州にあったため、繁殖牝馬の質は比較的低かったですが、それでも初年度から2歳チャンピオンのタッソーを輩出したりフロリダ州では超大物種牡馬として有名になりました...!その後、ケンタッキー州へと移動することになりましたがフロリダ時代より大物を出すことはなく、3年後に12歳という若さで亡くなってしまいました。

 代表産駒かつ最高傑作はなんといっても米国2冠馬アンブライドルド!現在のファピアノ系はこのアンブライドルドから広まっています...!

血統解説と特徴

 父はミスタープロスペクター、これはもう何回も言ったので省略していきますね。

母父はドクターフェイガーで、こちらは現在ではほとんど見ることが出来ない零細血脈として有名なヒムヤー系と言われる系統に属する馬ですね。この系統はアメリカでしか栄えてないといっても過言ではないと思います。ドクターフェイガーも短距離戦で大活躍した名馬でしたので、短距離×短距離の子だから短距離路線に進ませようとしたわけですw

母のキラローは現役時の成績は32戦4勝と目立った成績はありませんでしたが、競走馬になった産駒の勝ち上がり率は100%と立派な繁殖牝馬と考えてもいいでしょう...!また、牝系子孫も繁栄しており、日本だとアグネスゴールドトーホウジャッカルといった馬がこの牝系出身ですね...!

さて、現在代表するファピアノ種牡馬(まあ99%アンブライドルド系だと思います)はまた次回に見ていきますので、今回は主な特徴について語っておしまいにしましょう✨

  • 現在の主な米国クラシック血統、中距離ダートのスピード馬場は得意!
  • サンデー系×ファピアノ系はスピード力の強化!
  • 母系が芝血統だと、日本の高速馬場適性に高い適性を持つ馬が現れる!

 

 

何か質問があれば、こちらのほうで受け付けますのでよろしくお願いします✨

匿名で聞けちゃう!雨星 白沢@競馬Styleさんの質問箱です | Peing -質問箱-

 

ではでは、最後まで受講ありがとうございます!次回はファピアノ系の種牡馬紹介です...!また来週も受講しに来てくださいませ...!

白沢先生の血統解説 第14回 キングマンボ編(後編)

みなさんお久しぶりです!白沢先生です!Twitterをフォローしている方(まあほとんどの方がフォローしていると思いますが...)は知っている方が多いとは思いますが、右薬指が化膿してしまってPCを使うのが出来ませんでした...しかし、今は抗生物質と塗り薬で無事治りつつあります...というわけで、今週からまた張り切って記事を書きますのでよろしくお願いします✨

というわけで今回はキングマンボ系の主な種牡馬を解説していきます✨

 

キングカメハメハ

キングカメハメハ

さあ皆さんお待たせしました、キングカメハメハです。何といっても日本の芝でミスプロ系を普及させたいわゆる始祖です。京成杯以外のレースをすべて勝利し、NHKマイルと日本ダービーを当時のレコードで制した一流の名馬でしたが、三歳後半で惜しくも引退してしまい、種牡馬入りしました。

種牡馬成績

2005年から社台スタリオンステーションで供用されたキングカメハメハ、そんな当時の日本競馬界といえばサンデーサイレンス産駒が全盛期を迎えており、サンデーサイレンスの血を持たない大物種牡馬の導入が期待されていました。そんな中サンデーサイレンスの血を持たないかつ一流の成績を掲げやってきたキングカメハメハはまさに需要が合致、とても期待されていました。どれくらい期待されていたかというと、サンデーサイレンス産駒でエリザベス女王杯を制したトゥザヴィクトリーとの子にはセレクトセール6億という破格の値がつけられたぐらいです...w(その子は未出走で繁殖入りしちゃいましたが...)

2008年から産駒デビュー、走りはするものの期待してたよりかは...という感じでしたが、翌年に産駒のアパパネローズキングダム2歳女王、2歳王者になるなど大活躍!そして翌年にアパパネ牝馬3冠を獲得し、2010年リーディングサイアーに輝くなどの大躍進、サンデーの牙城を崩したまさに革命的な種牡馬になったのです...!

代表産駒は、最強スプリンターロードカナロア!良血一族フェラーリくん、ルーラーシップ!そして牡馬2冠馬のドゥラメンテ!ダートの雄ホッコータルマエ!その他にも数えきれないほどGI馬を輩出しています...!今はチュウワウィザードが大活躍していますね✨

血統と傾向

父はキングマンボ、これはまあ前回話した通りなので省略しておきますw

母父のラストタイクーンは短距離で大活躍した競争馬であり、短距離が多いオーストラリアでリーディングサイアーを獲得している名馬でもあります。キングマンボもマイルで活躍し、ラストタイクーンも短距離で活躍なのでやはりミスプロらしくスピード勝負に強いといった感じですね。しかしサンデーをつけると芝適性が高くなったりそれ以外だとダートも短距離もこなせちゃう、万能種牡馬といった感じですね。(しかし長距離は微妙)

キングカメハメハだけでここまで話しちゃいましたね...では現在のキングカメハメハ系の担い手を紹介していきましょう✨

ロードカナロア

先程代表産駒でも挙げたロードカナロア、日本馬として初めて香港スプリントを制し(さらに連覇も達成)、さらに国内GIを4勝した最強スプリンターですね...!種牡馬としても大活躍、初年度から牝馬3冠で現役最強とも呼ばれるアーモンドアイ、そして無敗で皐月賞を制したサートゥルナーリア、3歳でマイルCSを制したステルヴィオと大物ぞろい、次世代のリーディングサイアーとも呼ばれていますね...!

この馬もサンデーサイレンスの血が入ってないため、繁殖牝馬には困らないタイプになりますね...父のキングカメハメハと違い、短距離寄りになっていますがこちらもサンデーサイレンスの血が入ると距離は伸びますが、本質はマイラー傾向です。

ルーラーシップ

母は牝馬天皇賞秋を制し、牡馬と互角の争いを繰り広げてきた女傑エアグルーヴ。競争馬時代は、スタートの出遅れが課題でGIレースを勝ちきれないことが多かったですがまずまずのスタート(彼にとっては最高のスタート)でGI香港クイーンエリザベス二世カップを制しました、もっとスタートがうまかったらなぁというたらればを語りたくなる1頭ですねw

代表産駒はやはり菊花賞馬かつ脚質がキセキ、そして連勝街道を突き抜けオーストラリアでGIを制したメールドグラース、そしてAJCC京都記念とGI戦線の常連でもあるダンビュライトがいます!

この馬は母父がトニービンであり、サンデーサイレンス産駒のハーツクライと同じであること、それによって若干ハーツクライのように適正距離が伸び、長距離にも対応できるようになりました。一方で、短距離馬ディアンドルを輩出するなど一辺倒に中長距離とは言えないのも面白いところですね。最近は障害での活躍も目立ちます

キングズベスト

キングズベスト

お次はキングズベストですね、こちらはキングカメハメハとは違い、欧州で活躍した競走馬となります。競争成績は6戦3勝、主な勝ち鞍にGIイギリス2000ギニー、日本の皐月賞のモデルとなったレースですね、この馬はダービーを目前に脚を負傷して引退し、種牡馬入りしました。

種牡馬成績

2001年にアイルランド種牡馬入りした後、2頭のGI馬を輩出、その後アルゼンチン...フランスと各地に移動し...そして2013年からは日本で供用されていましたが、あいにく去年に亡くなりました...。一応日本でのリーディング最高は2010年の53位です。代表産駒はなんといっても日本ダービー天皇賞秋を制したエイシンフラッシュ、そしてエイシンフラッシュと同年にイギリスダービーを制し、のちに凱旋門賞も制した名馬ワークフォースと大物ぞろいですね...!ワークフォースアイルランドに帰りましたが、エイシンフラッシュは今でも後継種牡馬として頑張っています✨

血統と傾向

キングズベストといえば、半姉に牝馬凱旋門賞を制したアーバンシー、その子供であり甥っ子になる欧州最強種牡馬兄弟ガリレオシーザスターズがおり、その他の妹の子供たちもフランスダービーといった並々の欧州GI馬を輩出した超良血一族の出身になります!母父はロンバード、ドイツの中長距離で活躍した馬です。

基本的な特徴として上位の馬は中長距離をこなしますが、なぜか短距離にも適応があったりしますね。

さて、お次はそんなキングズベスト産駒の種牡馬2頭について解説していきます✨

エイシンフラッシュ

先ほど言った通り、日本ダービー天皇賞秋を制した名馬で、特に日本ダービーではスローペースから上がり3ハロンが32.7という史上最速の末脚を炸裂させました...!いや速すぎる...

種牡馬デビューしてからはまだ重賞を制覇していませんが、まだ種牡馬としての歴も浅いので長い目で見たいですね...!

母はドイツの長距離路線で活躍したムーンレディ、王道のドイツのステイヤー血脈を持っており、かなりドイツ色が強い血統とも呼ばれていますね。じゃあ産駒もステイヤーが多いのかな?と思いきや、実は中距離までが強く、長距離はそこまで...というのが血統の面白いところですねw

ワークフォース

お次にワークフォース!先ほど言った通りイギリスダービー凱旋門賞を制しました。特に凱旋門賞では日本馬ナカヤマフェスタと対決したこともあるのでご存知の方も多いのではないでしょうか?ちなみに血統的にはエイシンフラッシュよりスタミナやパワーに特化した感じで、長距離、重馬場といったレースに特化しているタイプですね...!

ちなみに、現在はアイルランド種牡馬をしているようです。

まとめ

下の図は、今回解説した種牡馬たちのダートシェア率と配慮済み平均勝利距離で散布図を作成したものになります...!

※1 ダートシェア率:全ての勝利に対するダート勝利の割合

※2 配慮済み平均勝利距離:(ダート平均勝利距離*ダート勝利割合)+(芝平均勝利距離*芝勝利割合)

f:id:amahoshi_lab:20200212212006p:plain

さて、以上が父系で活躍しているキングマンボ系種牡馬たちになります...!いやーー前後編にまとめましたがかなり多い...!!母父になっちゃうとエルコンドルパサーといったところも解説することになるのでここまでにしておきますね...w

 

 

何か質問があれば、こちらのほうで受け付けますのでよろしくお願いします✨

匿名で聞けちゃう!雨星 白沢@競馬Styleさんの質問箱です | Peing -質問箱-

 

ではでは、最後まで受講ありがとうございます!次回は...おそらくファピアノ編になりますので、また来週も受講しに来てくださいませ...!

白沢先生の血統解説 第13回 キングマンボ編(前編)

こんにちは!本日もよろしくお願いします、白沢先生です!今週はどうなるかと思ってましたが、なんとか授業できそうでよかったです...w

先週は東海ステークスアメリカジョッキークラブカップ、いわゆるAJCCが行われました。東海ステークスマジェスティックウォリアー産駒エアアルマス、AJCCではハービンジャー産駒のブラストワンピースが勝利しました...しかしながら、事故も起きたのも事実。AJCCマイネルフロスト予後不良になってしまいました...2014年の毎日杯覇者、そしてダービーではワンアンドオンリー、イスタボニータといった強豪達相手に3着と好走しましたね。ダービーの時には灰色の馬体がいつの間にか真っ白な馬体に...特に最後の4角の手ごたえは最高の見せ場だったと思います。彼の思いを胸に、先生はこれからも競馬を応援し続けます...。

さて、ちょっと重い話でしたが切り替えて。今回はキングマンボのお話です!今では日本で必要不可欠な血統となったキングマンボ、その人生はいったいどんなものだったか早速見ていきましょう✨

競走成績

 キングマンボはアメリカで誕生した後、馬主によってフランスの調教師に預けられ、フランスで競走馬としてデビューをしました。初戦こそは2着に敗れたものの、3週間後の2戦目で勝ち上がりましたが、その後は2着こそあれど1着がとれず、結局2歳時は7戦して1勝と凡な結果で終わりました。

 そして3歳シーズン、ここからキングマンボが覚醒しました。まず初戦のリステッド競走で2戦目をあげると、GI仏2000ギニー(日本の皐月賞)に挑戦。ここを快勝、その後に渡英しGIセントジェームズパレスS(欧州3歳マイル王決定戦)も勝利しGI連勝、さらに古馬混合戦(にも関わらず出走が全て3歳馬だった)GIジャックルマロワ賞は3着、GIムーランドロンシャン賞(こちらはちゃんとした古馬混合戦です)は勝利と一流の名馬の仲間入りを果たしました...!次の英GIクイーンエリザベス二世Sで3着に敗れ、これを最後に引退しました。3歳時は6戦4勝、総合成績13戦5勝という成績でしたが、マイルGIを3勝といい屈指の名マイラーという感じですね...!

種牡馬成績

 引退後はアメリケンタッキー州の牧場で種牡馬入りしました。リーディングサイアー自体は取れませんでしたが、キングマンボの産駒は自身が主戦としていた欧州だけでなくアメリカ、日本と世界中で活躍しました...!代表産駒は日本でNHKマイルカップジャパンカップを制し、凱旋門2着〇外競走馬エルコンドルパサーアメリカダート界を席巻したレモンドロップキッド!そしてイギリス2000ギニーを制し日本でも活躍したキングズベスト!日本で変則2冠(NHKマイル、日本ダービー制覇)を達成、日本競馬界に新たな系統を送り込んだ名種牡馬キングカメハメハ!そしてジャパンカップを当時のレコードである2:22:1で勝利した外国馬アルカセット!その他オーストラリアや香港にドバイでもGI馬を輩出...!

 だからこそ、一国のリーディングサイアーを獲得するということはなく、世界で活躍する種牡馬という地位を獲得したわけです...!(まあこの当時は欧州ではサドラーズウェルズ、日本ではサンデーサイレンスと訳の分からん怪物種牡馬が無双していたためかもしれませんが)

 

ここだけの話ですが、JRAが欲しい!といって購入を検討していましたが、アメリカ側が絶対に手放したくなかったという噂があったり...?

血統解説と特徴

 キングマンボ、実は超良血のおぼっちゃまなんです!父は毎度おなじみ世界のミスタープロスペクター、そして母は1980年代の欧州のマイル路線で大活躍し、生涯で4着以下がないという完ぺきな結果を残したミエスク、だからこそキングマンボもマイルが強かったのかもしれませんね...!またこのミエスクの牝系からはリアルスティール、ラヴズオンリーユー兄妹とディープ産駒初のフランスダービー馬であるスタディオブマンといった馬が出ています...!母父ヌレイエフはノーザンダンサー系の話で解説していくのでここでは触れないようにしますw

さて、また後編で色んなキングマンボ系種牡馬たちを見ていきますが、基本的な特徴についてこれだけは押さえておきましょう✨

  • 本質は芝のスピード型!
  • 極端なペースのレースに強い!
  • 母系の影響を受けやすい!マイルだけでなく2400mもこなせる!
  • 内枠が得意な馬が多い!

 

何か質問があれば、こちらのほうで受け付けますのでよろしくお願いします✨

匿名で聞けちゃう!雨星 白沢@競馬Styleさんの質問箱です | Peing -質問箱-

 

ではでは、最後まで受講ありがとうございます!次回は先ほど言ったように日本で活躍するキングマンボ系種牡馬紹介です...!また来週も受講しに来てくださいませ...!

白沢先生の血統解説 第12回 フォーティナイナー編(後編)

こんにちは!イベントの企画を考えたりして最近はいろいろ忙しい先生です!忙しいですけど、楽しい忙しさなので人生充実しているなーってなるのでとってもいいですね✨

先週の重賞、愛知杯メイショウサムソン産駒デンコウアンジュ日経新春杯ディープブリランテ産駒モズベッロ、そして京成杯キズナ産駒クリスタルブラックがそれぞれ制しました...!個人的に気になったのはやはりキズナの仕上がりの早さでしょう...初年度産駒がもう重賞を2勝し、2歳時の出走頭数が100を超え、出走回数は300を超える、これは古馬になってから全体の評価は出来ませんが恐らく現段階では正統派ディープインパクト後継だと思ってます...

さて、というわけで今回はフォーティナイナー系で日本で活躍する種牡馬たちを紹介していきます!

前回の記事はこちら↓

白沢先生の血統解説 第11回 フォーティナイナー編(前半) - 雨星血統研究所

 

エンドスウィープ

最初はエンドスウィープ!競争成績はアメリGIIIジャージーショアブリーダーズカップステークスを勝利している...といったぐらいであまり大物という感じではない感じです。

種牡馬成績

最初はアメリカで種牡馬となり、勝ち上がりがとても良く、特に2歳の勝ち上がりでは当時の世界記録を樹立しました!さらに日本に輸出された産駒であるサウスヴィグラスがダート短距離で活躍、その仕上がりの早さと産駒の活躍により、日本に輸入されましたが、わずか3世代を残したのみで早世してしまいました...。しかしこの3世代に、牝馬宝塚記念を制したスイープトウショウ桜花賞NHKマイルの変則2冠を達成したラインクラフトドバイデューティーフリー(現ドバイターフ)にジャパンカップ宝塚記念に勝利した2007年の年度代表馬アドマイヤムーンを輩出!現在はアメリカから来たエンドスウィープ産駒である、スウェプトオーヴァーボードプリサイスエンド、惜しくも一昨年に亡くなってしまったサウスヴィグラス、そして日本産のアドマイヤムーンが担い手となっていますね...!

ちなみに勝ち上がり率は驚異の6割越えで、ノーザンテーストサンデーサイレンスディープインパクトエンドスウィープしかこの記録を達成した種牡馬はいません...w

血統と傾向

エンドスウィープの母はアラバマS(日本だと秋華賞)優勝馬。母父はGII勝ちがあるだけですが、名牝ゴーフォーワンド(米GI7勝)を半妹に持つノーザンダンサー産駒のダンススペル。やっぱり血統背景で種牡馬になったという印象です。

傾向としてはやっぱりフォーティナイナーらしく仕上がりがよくスピードが出るタイプ、2歳戦やダート短距離で特に強い...と思われがちでしたが、上級クラスだと芝中距離実績が強くなる傾向です(実際にダート勝率のほうが高かったけど、重賞勝利のほとんどは芝でした)。

 

さて、現在の担い手である産駒たちはというと...?

 

まずアドマイヤムーン自身は芝の中距離で大活躍しましたが、産駒はセイウンコウセイ、ファインニードル、ハクサンムーン芝の短距離に強い...と、まったく父に関係ない傾向がみられます。ちなみに重馬場の実績が結構目立ちますので穴目当てで買うのもいいですね✨

 

次にスウェプトオーヴァーボードですが、こちらも産駒は芝短距離に強くスプリンターズステークスの鬼レッドファルクス...そして現在ダート中距離第一線で活躍するオメガパフューム...あれ??さらに、ステイヤーズステークスを制したリッジマン...???中山3600m??ま、まあ簡単に言うと母系によって距離の融通が利くという感じだと思いますが、ただデータ見てると芝短距離が強いのが顕著にみられますw

 

次はサウスヴィグラス、短距離が多い地方競馬での活躍が多く見られます...!地方リーディングでは常にゴールドアリュールキングカメハメハといった大物と争っていますね!この馬はもうダート短距離!本当にダート勝率が高すぎます...wでも母系のスタミナ色が強いとマイル辺りもこなせますよ✨

代表産駒はラブミーチャン、ヒガシウィルウィンといった地方の雄をだしてますね...!

 

最後にプリサイスエンド、こちらもダート短距離、特に重馬場が良さそうです...!代表産駒にカフジテイク(根岸S、フェブラリーS3着)、グロリアスノア武蔵野S)とこちらは上級クラスだと中距離をこなすエンドスウィープっぽいところを受け継いでますね...!

それ以外のフォーティナイナー

日本ではやっぱりエンドスウィープからの直系が目立ちますが、僕たちだって負けてない!!というエンドスウィープを介さないフォーティナイナー系はもちろん存在します、次はその種牡馬たちを見ていきましょう!

トワイニング

2015年に亡くなりましたが、こちらは超良血!牝系からは欧州競馬の一大系統を作り上げたグリーンデザート(シーザスターズの祖父)、阪神3歳牝馬Sを制したヤマニンパラダイス皐月賞ノーリーズンがでています!もう2015年に亡くなり、残された産駒も少なくなりましたが、ノンコノユメが代表産駒として頑張っています...!

アイルハヴアナザー

こちらは現役種牡馬アイルハヴアナザー、ディスティーテッドヒューモアーから続く系統父の甥っ子にトーセンラースピルバーグ兄弟(父ディープインパクト)がいる血統です!現役時代にケンタッキーダービープリークネスステークスアメリカクラシック2冠を達成しています!産駒は2016年にデビュー、2018年にアメリカに帰国しました。代表産駒はサウンドトゥルーの半弟アナザートゥルース、ダート中距離の重賞の常連ですね!

ちなみに産駒の傾向としてはダート中距離がメインですね、フォーティナイナー系の中では少し異質なタイプですね。おそらく母系にロベルト、リボーとスタミナ色が強い配合が...おっと話が長くなりそうなので止めておきますね、いちおう初心者でもわかりやすく...というのがモットーですので...w気になったら質問箱のほうとかで受け付けますw

 

というわけで先生が知ってるフォーティナイナー系のお話は以上になります!長かった~!やっぱりミスプロ系は40年近く続いている血統なので遡ったりするの大変...!これからはこのように前後編と2つにまとめて紹介していく予定なのでよろしくお願いします!ちなみに、長期イベントのほうはまだ秘密で、ヒントを言うと先生のツイートがカギになっていますw

そんな先生のTwitterはこちら↓

雨星 白沢@長期イベント5月予定 (@Amahoshi_HKTK) | Twitter

 

あ、ついでに質問箱も貼っちゃいましょう。これで何かあったら質問に答えれますし

匿名で聞けちゃう!雨星 白沢@競馬Styleさんの質問箱です | Peing -質問箱-

 

ではでは、最後まで受講ありがとうございます!次回は日本で大活躍中キングマンボ系です...!また来週も受講しに来てくださいませ...!

 

 

 

 

 

白沢先生の血統解説 第11回 フォーティナイナー編(前編)

今日も見てくれてありがとうございます!白沢先生です!先週は3日連続中央競馬開催、シンザン記念フェアリーステークスと2つの三歳重賞がありましたね!シンザン記念をサンクテュエール、フェアリーステークスをスマイルカナが制しました...!この2週間で4つの重賞が終了しましたが、ディープ産駒は3勝です先ほど挙げた2頭もディープ産駒でやはり日本の名種牡馬といったところですね...あと3年は見てみたかったと本当に思うばかりですw

さて、今シーズンはミスプロ系!フォーティナイナーから話していきたいと思います!

え!?キングマンボは!?と思った皆さん、確かに今日本で流行っているのはキングマンボ系なんだけど、このフォーティナイナー系はもっと凄いので先に取り上げたいと思っただけです...wということで早速いってみましょう!

競走成績

フォーティナイナーの名前の由来は1849年にカルフォルニアで金が見つかり、一獲千金を求めてカルフォルニアに移住した人々を指す言葉、49erから来ています!いわゆるミスプロ産駒によくある探鉱シリーズですね!そんなフォーティナイナーは2歳のころは強いのなんのその、GI2勝を含む6戦5勝で1987年のエクリプス賞最優秀2歳牡馬に選ばれています!

そして3歳シーズン、やはりクラシックに期待がかかる1頭として注目され、まずは初戦のGIIIレースを2着とまずまずのスタート、その次のGIIファウンテンオブユースSでは勝利、そして次のレースはケンタッキーダービーのステップで有名なフロリダダービーGI、ここは2着と敗れてしまいます。ちなみにこの時勝ったのが今も日本競馬界に名を遺す名種牡馬ブライアンズタイムでした!

そして、クラシック戦線ではケンタッキーダービーで2着...プリークネスステークスではまさかの7着、そして距離不安のベルモントステークスは回避となりました。そして3歳後半でGIを2勝し、引退しました(先生あまり海外のレース知らないので競争成績がこれから簡潔になるかもしれません、すみません)。さてさて、お次に種牡馬成績にいきましょう!

種牡馬成績

故郷の牧場で1988年に種牡馬入りしたフォーティナイナー、やはり最優秀2歳牡馬、1992年の新種牡馬リーディングでは1位と期待通りのスタートを...と思いきやGIを勝った馬が結局ナインキーズという馬1頭しか出ないという低調ぶりで日本に売り飛ばされてしまいます。しかし、こういう日本に売り飛ばされるパターンによくありがちなのが、残された産駒が優秀な成績を残して関係者を困惑させる、それはフォーティナイナーも例外ではありませんでした...wアメリカの残された産駒からベルモントステークスを勝利したエディターズノート、GIを2勝したコロナドズクエストが登場。その結果1996年アメリリーディングサイアーに輝き、またその産駒からは競走馬としてはそこそこだったが種牡馬として大活躍したエンドスウィープトワイニングディストーテッドヒューマーを輩出しました...!

日本では主にダート戦で一定の需要を獲得し、ユートピアビワシンセイキなどを輩出しています...!

血統解説と特徴

ミスタープロスペクターについてはこちらへ↓

amahoshi-lab.hatenablog.com

母のファイルはフォーティナイナー以外に目立った活躍馬はいませんがその母の半姉の子に米国2冠馬スウェイル、そして同じく半姉の孫にイギリス2000ギニー(日本でいう皐月賞)を制したシャディードなどがいたりと良血の出身です!

後半にまた後継たちをまとめて特徴を言いますが、まずはこれだけは押さえておきましょう...!!

  • さすが最優秀2歳牡馬、2歳戦に強い!
  • スピード勝負!後継はダート、芝短距離で活躍!(スピード力はミスプロ系全般に言えそう?)

はい、というわけで今回のお話はここまで!次回はもっと詳しく面白く愉快な現在日本競馬で活躍中のフォーティナイナー系を見ていきましょう...!ではでは、お疲れさまでした!

白沢先生の血統解説 第10回(ミスタープロスペクター編)

今日も見てくれてありがとうございます!白沢先生です!2020年の中央競馬が始まりましたね、やっぱりトリオンフくんは強い!これからもタートルボウル産駒の代表としてGIも勝ってもらいたいですね...!そして京都に強いサウンドキアラちゃん、次走はまたまたお得意の京都牝馬ステークス...おそらくここを使ってヴィクトリアマイルでしょうか?

さて、去年はサンデーサイレンス系をいろいろ解説していきましたが...今年の前期はミスプロ系についてお話をしていこうかなと思います!では早速まいりましょう!

アメリカの快速ボーイ

ミスタープロスペクターは1970年生まれ、父は前年に無敗の二冠馬マジェスティックプリンスを出して新進気鋭の種牡馬レイズアネイティヴ、母はゴールドディガー、ちなみにゴールドディガーとは金鉱採掘者という意味...だから子供はprospector(探鉱者)と名付けられているんですよね~。

そんな彼ですが二歳は脚部不安で一度も出走せず、実は三歳でデビューしました、その時のデビュー戦ダート6ハロンで圧勝!三戦目では同じダート6ハロンでレコードを記録...これは強いぞと思われていたが初のダート8.5ハロンの一般競争で3着と敗れ、その後は脚部不安で3歳シーズンを終えることになります。

四歳で陣営はスプリント路線に本格的に行き、再びダート6ハロンのレースでレコード勝ちはあったものの重賞にはもう一歩...というのを繰り返し引退。競走馬としては14戦7勝、競走馬としては並レベルの成功しか収めてなかったりしています(まあ彼は良血のため購入金額を考えたら失敗によるのかもしれません...)

しかし、彼の力は種牡馬として発揮することになります、というわけで種牡馬成績を見ていきましょう!

種牡馬成績

競争成績はなんとも...なミスタープロスペクターはフロリダで7500ドル(当時の日本円で150万ぐらい)で種牡馬生活を始めました。しかし、初年度から活躍する馬が多数現れ1979年にアメリカ2歳リーディングサイアーに、その後、活躍が認められ供用地が今もなお世界一の馬産地として有名なケンタッキー州へと移動し一流の良血牝馬に恵まれるようになり、さらに成績を上げるようになり1987-1988年にはアメリリーディングサイアーを獲得し最初の7500ドルから、種牡馬生活晩年には45万ドル(当時の日本円で4000万!)に跳ね上がるほどの超名種牡馬になり...亡くなった後もその子孫がアメリカ国内だけでなく、欧州や日本にも影響を及ぼすようになり、世界に広がるミスタープロスペクター系を祖となりました...!代表産駒は...多いのでこれからの血統解説でw(おい)

血統解説と傾向

ミスタープロスペクターって、前述のようにダートのスプリントでレコードを2回も更新した快速少年で最初は同じような短距離ホースが出ていたんですけど、後々配合によって中長距離や芝もこなせるような産駒を出したんですよね。現在の北米でのミスプロ系はダート中距離を主戦にしています。ちなみにミスプロと二大巨頭といわれているノーザンダンサーと実は似ている血統だったりします、話すと長くなりそうなのでここでは省略させていただきますw

というわけでミスタープロスペクターの基本的な産駒の傾向を見ていきましょう!...といいたいわけですが今じゃ世界にミスタープロスペクターを持ってる馬なんてそこら中にいちゃうわけで傾向というのはその産駒たちによって変わるので詳しくは次回からですね...!それでは2020年も白沢先生の解説をお楽しみに!お疲れさまでした!