雨星血統研究室

新米バーチャル先生、白沢先生と共に血統を一緒に学んでいこう!という感じのブログです

3頭のクリスマスの血統のお話(おまけつき)

この記事はTakkuMattsu(@NorsteinBekkler)さん主催の企画「競馬 Advent Calendar 2020」の参加記事になります。

(企画内容はこちら

それでは、記事の本題に入ります。

皆さん、もうすぐ冬本番ですね!いかがお過ごしでしょうか、血統学者系競馬Vtuberの雨星白沢です!

あれ、先生はバーチャルブロガーだったのでは?と感じる方もいると思いますが、ブログを休止してからしばらくして、先生はVtuberに転身しました!

チャンネルもありますので是非登録の方もお願いします~

www.youtube.com

というわけで今回の先生の担当は12/24、クリスマスの前日になります。皆さんはクリスマスといえば何を連想しますか?

ケーキ、チキン、プレゼント、サンタクロース...いろいろなものが想像できると思います。

でも考えてみてください、これらって全く競馬の話につながらないじゃないですか、じゃあ今回の内容はどうしようかと考えたんです。そしてこのような決断に至りました。

競走馬のクリスマスの血統の話をしようではないかと。

というわけで今回はクリスマスの血統のお話をします、そのあとにおまけもありますので是非雑学程度に学んでいってくださいませ!

 日本に存在したクリスマスたち

日本でクリスマスという名前が付けられた馬は3頭存在し、初代クリスマスは1958年生まれの内国産馬、二代目クリスマスはニュージーランドからやってきた繁殖牝馬、三代目クリスマスは2011年生まれの内国産馬になります。それでは軽く順を追ってクリスマスたちの血統を見ていきましょう!

初代クリスマス(1958年産)

初代クリスマスは競走成績31戦5勝、条件戦を勝ち抜いてダイヤモンドステークス(当時は中山2600m)で3着の実績があります。

...というぐらいしかデータが残っておらず正直なところ不明な点が多いです(笑)

さて、実際に血統表を見ていきましょう!

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父クリノハナ、もうこれはほとんど聞きなれないでしょう。クリノハナは1952年のクラシック2冠馬で種牡馬としても天皇賞勝ち馬を3頭も出し、長距離に強い(当時は春も秋も3200m)有力内国産種牡馬の一角を背負っていました。

またその父プリメロは戦前競馬を語るには外せない一頭で、1940年代を代表する名種牡馬となっており、父系こそは途絶えたものの、現在でも母系の父として根強い影響を与えています。代表はスペシャルウィークウォッカですね。

 

牝系は今もなお有名なビューチフルドリーマー系、ホエールキャプチャショウリュウムーンといった近代競馬でもちらほらその牝系出身の名馬がいたりするぐらいの日本古来の牝系となっています。

 

うーん、なんというか、渋いね!さすが60年前の馬だけある...ゾクゾクしますほんと(笑)

二代目クリスマス(1971年産)

二代目クリスマスに関しては海外の馬なので現役の情報がないですね、走っていたのかも不明です。

こちらが二代目クリスマスの血統表です!

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うーん、ニュージーランド産だけあってほんとよくわからない馬が多いですが、知っている範囲だけ語ります

父バリーロイヤルは今ではほとんど聞かなくなったネアルコ系の亜流モスボロー系の馬、その父バリーモスはイギリスの名馬で確かアイルランドダービーや凱旋門賞とか色々勝っています。

...以上!海外競馬本当に苦手で分からないですし、そもそもこんなにマイナーな馬の血統の話しろというのはさすがに無理がありました()

三代目クリスマス(2011年産)

三代目クリスマスは競走成績19戦5勝で函館2歳ステークスを制覇しています、おそらく普通の人ならクリスマスという名前の馬ならこの馬が一番ピンと来るんじゃないかなと思います。

早速ですが実際に血統表を見てみましょう!

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うん!これなら先生でも話せそうだ!()

父バゴはここ最近波に乗っているので改めておさらい、バゴはフランスの馬で凱旋門賞パリ大賞典といった一流のレースで勝利し、日本で種牡馬入りして初年度から菊花賞馬ビッグウィークといった馬を輩出したが、基本的に切れ味不足と難しい気性から成績は不安定なことが多いですね。 

もう1つ言うと極端な馬場に強い傾向にあります。

しかし母系にサンデー系種牡馬や米国のスピードを補うことで切れ味不足を補い、最近は日本競馬に適性を示す産駒も増えてきました。その代表といえるのがステラヴェローチェ、クロノジェネシス、本馬クリスマスです。とはいえ、やはり一発屋種牡馬というレッテルはそう簡単に剥がれないような気がしますが...

母父のステイゴールドは言わずもがな名種牡馬、善戦ホースから一変、G1香港ヴァーズを制し、種牡馬として三冠馬オルフェーヴルにアイドルホースゴールドシップと言った個性派を輩出。詳しくは昔記事にして書いてありますので、こちらを参考に↓

白沢先生の血統解説 第5回(ステイゴールド編) - 雨星血統研究室

 

というわけで今回は日本に存在したクリスマス達の血統の解説を行ってみました、完全に趣味で話した感じで、特に面白みがなかったらすみません(笑)

 

残す競馬も残りは1週のみ、まだ外してる皆さんにもチャンスはありますよ!頑張っていきましょう!

 

おまけ

ここからはオマケになります

もうすぐ新年というわけで、来年度の種牡馬リーディングを予想してみました、毎年獲得賞金で争われる種牡馬リーディング、気がつけば来年度はディープ産駒もキンカメ産駒も実質最終世代。時代の移り変わりを感じられますね... 

2020年種牡馬リーディング総括

まだ今年のリーディングはまとまってませんが現時点で特に印象に残った種牡馬をまとめていきたいと思います

  • バゴ(2歳馬で大物、クロノジェネシスの安定した強さで現在キャリアハイ)

先生が最初にパッと思いついたのはこの4頭でしょうか、特にオルフェーヴルは父ステイゴールドと違いジャスティンのようにダートもこなせる万能型なので様々な需要がありそうですね。

次に来年度ちょっと成績心配な種牡馬を挙げたいなと思います

  • ロードカナロア(主力アーモンドアイが引退、現2・3歳で大物不在、3歳世代でクラシック出走馬は少ない。サートゥルナーリア・ダノンスマッシュ次第)
  • キズナ(勝ち上がりと仕上がりの速さは凄いが古馬になってからがどうか、母系が早熟寄りの血統なので気になる)
  • ハービンジャー(強い馬が周期的に現れる感じで成績は割と不安定、6歳になるノームコアが鍵か)

だいたいこんな感じですかね、ちなみにこれは先生の主観が入ってるのであまり参考はしない方がいいです(笑)

2021年種牡馬リーディング予想

ここからが本題。来年度、つまり2021年の種牡馬リーディング5位までを予想してみました。個人的な主観がメキメキ入っていたりしますがここはご愛嬌ということで...

1位 ディープインパクト(代表馬:コントレイル)

まあ、文句なしでトップでしょう。二歳馬がいつもより活躍が目立たないのは少し気になりますが、まだ想定内です

短距離では5歳になるグランアレグリアがいますし、古馬になった三冠馬コントレイル、クラシック戦線ではサトノレイナスに注目しています。仕上がりの早さと素質の高さは距離次第でソダシに勝るはず。

2位ロードカナロア(代表馬:ダノンスマッシュ)

これは悩みましたが普通にロードカナロアじゃないでしょうか、こう思うのは彼の種付頭数が影響しています。目立った大物が出ないのは仕方ない、初年度が暴れすぎです。

種付けは18年の頭数になるのですが、その数なんと294頭。普通に考えても多いです、今年3位のハーツクライが170頭前後と考えるとその差は歴然です。決して勝ち上がれないというわけではないため、主力のアーモンドアイが抜けてもその分埋め合わせきれるかと思ってます。代表馬は安定感があるダノンスマッシュにしました。

3位エピファネイア(代表馬:デアリングタクト)

ここはあえてエピファネイアに期待、初年度産駒はデアリングタクトしか重賞を勝利していませんが、アリストテレス菊花賞でコントレイルと僅差の2着、中・長距離で活躍が期待できそうです。そして今年の二歳世代にもオーソクレースが期待されています。エピファネイア自身も古馬になってもパフォーマンスは落ちませんでしたし、息の長い活躍が期待できそう。

4位キズナ(代表馬:ディープボンド)

ここはキズナを選ばせていただきました。まぁ仕上がりの鬼、ディープの後継最右翼。古馬になってからの戦いになると思いますが、世代限定戦では普通に今年のように猛威を振るうのではないかと考えています。まず祖母の妹がヒシアマゾンのダディーズビビッド、あの馬の長く使える脚はとても魅力的に映りました、来年のマイル戦線で見たい一頭です。代表馬はディープボンドを挙げさせていただきます。中距離で面白い一頭になりそう。

5位ハーツクライ(代表馬:サリオス)

5位にハーツクライを選んだ理由ですが、正直なところこの3~5位はめちゃくちゃ悩みました。ただ今後の頭数、今年の二歳戦の成績を考えるとここら辺が順当になるのかなと思って5位にしました。古馬はサリオスがマイル~中距離で活躍してくるかなと思います、ハーツの成長力を考えたらコントレイルを超えることも...だとしたら3位ぐらいには入ってくると思いますけど。

6位以下はこんな感じで考えました(疲れた)

6位ダイワメジャー

7位オルフェーヴル

8位キングカメハメハ

9位ルーラーシップ

10位キンシャサノキセキ

 

はい、というわけで何というか記事が二本立てみたいになってしまった今回のアドベントカレンダー、いかがだったでしょうか?結構長く書きすぎちゃったので本当に流し読み感覚でいいです、ほんと()

それでは、今回のお話はここまで!最後まで見ていただきありがとうございました!

この記事が面白かったら☆なり、登録なり宜しくお願い致します。

 

白沢先生の血統解説 第24回 ニジンスキー編(前編)

今回も受講ありがとうございます!白沢先生です!夏競馬が本格的に始まりましたね、夏競馬といえば何といっても難解で大変難しいかと思います。安心してください、先生何一つ重賞的中していませんから、まあでも難解だからこそ高配当が期待できるというのもありますね。めげずにこれからも頑張っていきたいなと思います。

 

そして、今年はあの名馬ニジンスキーがイギリス三冠を取って50年目の節目であります、セントレジャーの価値が下がったこともあってかニジンスキー以降イギリスでは三冠馬は出ていません(2冠取ったら凱旋門とか行くのが今の欧州競馬)。

さて、というわけで今回はニジンスキー編に入ります!競走馬としてはノーザンダンサー産駒の中では最高傑作とも呼ばれ、種牡馬としても一流の実績を誇るまさにパーフェクトの名がふさわしい名馬ですので、いろいろ学んでいきましょう✨

 

 

NijinskyⅡ(ニジンスキー

馬名の由来は知る人ぞ知る伝説のバレエダンサー、ヴァーツラフ・ニジンスキーから由来し、父の「Dancer(踊り子)」つながりでもある。そのヴァーツラフ・ニジンスキーも「生まれ変わったら馬になりたい」と語っていた噂もあり、この地点でこの馬の運命は決まっていたかもしれないですね...

ノーザンダンサー自身はかなり小柄な馬体だったというのは以前お話しましたが、この馬は例外中の例外で、しっかりとした馬体でバランスもよく、更には顔までイケメンというパーフェクトな馬だったらしいです。そんなニジンスキーですが、セリでイギリスの名調教師V・オブライエン氏が本馬に釘付けになりカナダ産馬最高額で落札され、アイルランドの馬としてデビューすることになりました

競走成績~史上4頭目の無敗のイギリス三冠馬

2歳から始まる連勝街道

 2歳7月のカラ競馬場未勝利戦でデビュー、圧倒的一番人気に支持された本馬ですが、そこまで圧倒的なパフォーマンスを披露するということもなく普通に半馬身差で勝利します。2戦目はアイルランドでは有名な2歳戦である、レイルウェイステークス(現G2)に出走、2着馬に5馬身差をつけて圧勝します。そして3戦目のオープン戦、アングルシーステークスでも2着馬に3馬身差つけて勝利...続いて4戦目では3/4馬身差つけて勝利します。

そして舞台はアイルランドからイギリスに、欧州2歳王者決定戦として名高いデューハーストステークスに出走します。ここでも圧倒的一番人気に支持されたニジンスキー、6頭立て最後方から思いっきり差し切るというパフォーマンスで勝利します。もう文句なしです、堂々の2歳王者に輝くことになりもちろんクラシック最有力候補となりました。これがニジンスキーの2歳の戦績になります、5戦5勝、文句なしのパフォーマンスはどこまで行くのか...!

2歳王者の貫禄

3歳となったニジンスキーアイルランドに戻り4月から復帰。初戦はオープンで初の古馬混合戦、さらに不良馬場というニジンスキーにとってはよくないコンディションでしたが、ここでも格が違う走りをこなし2着馬に5馬身差の快勝で、クラシックに挑むことになります。

クラシック初戦のイギリス2000ギニー、ここも文句なしの一番人気で...はい、勝っちゃいます。このレースにもイエローゴッド(後に日本で種牡馬として活躍)といった馬がいましたがそんなの関係なしです、そのイエローゴッド2馬身半差つけて勝っちゃいました。

そして次はなんといっても3歳の花形レース、イギリスダービー。ここでも圧倒的に1番人気...というわけではありませんでした。なぜなら、父のノーザンダンサーが長距離のベルモントステークスで敗れていたことと、そのスピードで差し切るニジンスキーには距離が持たないのでは、という距離不安説が囁かれていたからです。さらにレース2日前に疝痛を発生してしまいます、もはや出走できるかどうか危うかったコンディションで挑むことになったニジンスキー、そんなコンディションで大丈夫ですか...?

はい、問題なかったです。なんなら僅差でもなく2馬身差で勝ってます。数々の実力馬を簡単に下したそのポテンシャルは、落ちても全く問題がなかった勝ちっぷりでした。そしてアイルランドに戻った後、アイルランドダービーを馬なりで勝っちゃったりと相変わらずの実力を見せました。その後またイギリスに遠征し、ここでは初の古馬GⅠで欧州最高峰の古馬GⅠであるキングジョージ6世&クイーンエリザベスステークスに出走します。ここでもニジンスキーは格が違いを見せつけ、普通に勝ちます。この勝利の後、ニジンスキー凱旋門賞→米マンノウォーステークスに出走するプランを立てますが、アクシデントが発生してしまいます。

最大の危機、そして・・・

ニジンスキーは皮膚病になってしまいます、その症状はかなりひどく、鬣が全て落ち鞭が触れるだけで出血するぐらいなものでした。結局この症状が治った時には夏を越しており、スケジュールがぐちゃぐちゃになってしまいました。

凱旋門までに一叩きしたい...結果、選ばれたレースはイギリスセントレジャーステークス、クラシック三冠目になります。そうなんです、実際このレースは使うつもりがなかったんです。なぜかというと、最初に書いたとおりでこの当時からセントレジャーステークスの価値が下がっていたからです。なので、ダービーが終われば古馬と戦うというローテーションが当たり前になっていました。

そのセントレジャーステークスでも1馬身差で勝利...ニジンスキーは35年ぶりの三冠馬となり、そして史上4頭目の無敗の三冠馬となりました!しかしながら、無理に使ったせいか体重が激減してしまったそうです。

ニジンスキー、敗北

そして、凱旋門賞に出走、圧倒的一番人気と無敗の三冠馬あってかマスコミや観客の注目の的になってしまいニジンスキーはテンション上がり、発汗という最悪なコンディションで挑むことになります(なんかコンディション悪いこと多いですね)

そして...ここも勝つと思われていました、伸びていたんだけど、今までの疲れやコンディションやローテ狂いが影響したかは分かりませんが僅差の2着に敗れました。実際に見たことは当然ないのですが...それはかなりのお葬式モードだったでしょうね...

そしてこの後、チャンピオンステークスでも激しいイレ込みと発汗があってか2着に敗れ、引退することとなりました。もう騎手も調教師も「闘志を失っていた」と発言していたそうです。通算成績13戦11勝、強すぎ...

ここまでがニジンスキーの実績になりました!長すぎ!次行くよ!!

種牡馬成績~ノーザンダンサーを受け継ぐもの~

引退後はアメリカで種牡馬入り、今さらなんですがなぜ「Nijinsky 」と呼ばれているかというと、アメリカに同じNijinskyという馬が既にいたためⅡがつけられています。

父のノーザンダンサーがまだまだ現役であったがそれに負けじとニジンスキーもものすごい実力を見せつけました。産駒のステークスウイナーは父を上回り、1986年英愛リーディングサイアーにもなってます。またその産駒が種牡馬となり、それなりに成功を遂げたため、ノーザンダンサーの血を更に拡大させることとなりました。

代表産駒はフランスリーディングサイアーにもなったことがあるグリーンダンサー、日本に多大な影響を与え、英愛リーディングサイアーに輝いたカーリアン、最近ではウマ娘で有名なスーパーカーマルゼンスキーなどが挙げられます、あと色んな意味で話題になったラムタラニジンスキー産駒になりますまた詳しくは次回の後編でお話します✨

↓多分後編のURLが貼られてます

 

血統解説と現状~ニジンスキーをもっと知ろう!!~

父は名種牡馬ノーザンダンサー、母のフレーミングペイジは競走成績16戦4勝でカナダのダービー、オークスを制し、アメリカのケンタッキーオークス二着の経験がある超実力馬。つまり生まれながら期待されていた超良血の馬でした。また母の母フレアリングトップから続く牝系はかなり優秀な牝系としても有名ですね、日本だとスーパーホーネットが代表されます、またさらに母の母...を辿っていくとTorpenhowという馬にたどり着きます、この馬はアーモンドアイの8代母だったりするんですよね。(気になった方は牝系 8-f号族で検索!)

ニジンスキーと言えばやっぱり底力に特化した馬が多いですね、瞬発力を持つ馬は少ないものの、道悪や厳しいペースでこそ力を出せる馬が多いです。よくスタミナのニジンスキーとも言われたりしますが、スタミナ一辺倒ではなく、短距離もこなしますよ。予想するなら馬にとってつらいレースを見極めていくといいかもしれませんね。

またサンデー系と相性が良く、母父ニジンスキー系のサンデー系種牡馬だとスペシャルウィーク、ダンスインザダークが挙げられます。母父ニジンスキー系のサンデー系活躍馬だとフィエールマン、ブエナビスタ&ジョワドヴィーヴル姉妹、ヒルノダムールジョーカプチーノ、サリオスといった馬が代表例ですね。(もっといると思うけど割愛)

そんなニジンスキー系ですが、衰退気味かなという印象、以前まではカーリアングリーンダンサー辺りが頑張ってましたが勢いが落ちている感じです。2011年の凱旋門賞デインドリームニジンスキー系だったってぐらいですかね、まぁ...次に解説するサドラーズウェルズがやばすぎたのもありますね。

まとめ~本日のおさらい~

要するにまとめるとこんな感じになるよ!

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はい、というわけで今回のお話はここまでとなります!いやー...4000文字ぐらいになってしまって大変申し訳ない、導入が若干今回は多かったのも原因ですね。ただニジンスキーってかっこいいんですよ、

今回のお話で何か質問があれば、こちらのほうで受け付けますのでよろしくお願いします✨

匿名で聞けちゃう!雨星 白沢@競馬Styleさんの質問箱です | Peing -質問箱-

次回はニジンスキー種牡馬のお話になります。よろしくお願いします!あと最後にですが、血統や種牡馬について疑問に思ったことをマシュマロの方で募集していますのでこちらの方もよろしくお願いします✨

marshmallow-qa.com

ではでは、最後まで受講ありがとうございます!また次回お待ちしております!

白沢先生の血統解説 第23回 ノーザンテースト編

みなさんこんにちは、血統解説のお時間になりました!白沢先生です!

宝塚記念はこの馬場なら文句なしでクロノジェネシスでしたね、だとしてもシンプルに強すぎですねほんと、ご時世が許すなら海外遠征も視野に入れてもいいのではないでしょうか、お父さんバゴちゃんですし、バゴ自身も凱旋門賞取っていますし面白いと思いますね。

というわけで今回は日本のノーザンダンサー系先駆者、ノーザンテーストについてのお話になります!何といっても社台グループ繁栄の礎で日本競馬に多大な影響を与えましたので、やはり最初はノーザンテーストからお話したかったんですよね。ではさっそく参りましょう✨

 

Northern Tasteノーザンテースト

ノーザンテーストは1971年にカナダで誕生したノーザンダンサー産駒、1972年のアメリカでのセリ市で日本人の吉田照哉氏(現社台ファーム代表)が購入しました。

実はこの時、照哉氏は父の吉田善哉氏に「一番見栄えがいいノーザンダンサー産駒を買ってこい」と言われており、将来種牡馬にすること前提での購入でした。

このノーザンテーストの名前の由来、これがまたユニークなんですよね

 

善哉氏「お疲れさん、日本に帰ってきたら何が食べたい?」

照哉氏「北海道の魚(寿司説もある)が食べたいね」

善哉氏「寿司...北海道の味...ノーザンダンサー...北の踊り子...北の味!!ノーザンテースト!!!」

照哉氏「??????????」

※ちょっと面白おかしく説明したので一部フィクションが含まれている場合があります

 

という理由でノーザンテーストと名付けられました、ちょっとユニークですよね、そう思いません?(笑)

そうしたエピソードを持つノーザンテーストは、まずは競走馬として活躍させるべく、フランスでデビューすることになります

競走成績~いまいちパッとしません~

2歳になったノーザンテーストは初戦、2戦目は3着2着と敗れたものの3戦目のGⅢエクリプス賞で初勝利を収めると、GⅢトーマブリョン賞でも勝利し重賞2連勝、4戦2勝で2歳シーズンを終えます。この2連勝が大きかったか、クラシック有力候補に名乗りを上げることになりました。

そして3歳緒戦ジェベル賞でも勝利し、これで3連勝となります。こうして次はクラシック、フランス2000ギニーに挑戦する...かと思いきや陣営は本場イギリスの2000ギニーに挑むことにさせました。(ちなみにジェベル賞の2着馬がフランス2000ギニーを勝ってます)

イギリス2000ギニーでは4着に敗退、次のダービーでは道中後方で差し勝負になってしまいの5着、フランスに帰ってGⅢを2戦するも3着5着と何とも言えない結果に。それ以降は距離に壁があると判断して、短距離マイル路線にシフトすることになります。そしてマイルGⅢのロンポワン賞では豪華メンツの中で大接戦の4着、次のGⅠムーランドロンシャン賞では2着、勝ちきれないレースが続く中挑む3歳8戦目、GⅠフォレ賞、ここでようやく勝利、晴れてGⅠホースの称号を得ることに!

...と得た後は調子を崩し始め勝ちきれないレースが続き、4歳となってはリステッド競走を一勝したのみで引退することになりました。通算成績は20戦5勝とそこそこの実力を得て日本に行くこととなりました。

種牡馬成績~日本発のノーザンダンサー系の誕生~

引退後は予定通り、日本の社台スタリオンステーションで供用されることに。しかしながら周りの評判は見た目から「犬みたいな馬だな」「牛かな??」「アメリカからヤギでも買ってきたのか」などとなかなかきつい言葉を投げつけられたこともあったそうです。あとは自身の成績からも短距離の早熟馬が多そうでとても中長距離こなせそうにはないとも言われてました。

そして初産駒が2歳になった1979年、産駒たちの活躍により最初の二歳リーディングサイアーに輝き、実際早熟気味かと思われ、結果少し種牡馬として多少の人気を落すことになります。しかしながら、初年度産駒が古馬になったところで覚醒したアンバーシャダイ有馬記念天皇賞春を制覇、さっそくG1馬の父に、それ以降ノーザンテーストは一気に大物種牡馬へと成り上がり1982~1993、11年連続の中央競馬リーディングサイアーというとてつもない記録をたたき出します。

代表産駒には先ほど述べたアンバーシャダイ天皇賞秋勝ち馬ギャロップダイナオークスを制し今もなお血統表に残る名牝ダイナカール、ダービー勝ち馬ダイナガリバーなどと大物ぞろい!

また母父としてもとてつもない実績を誇っており、ダイワメジャーダイワスカーレットサッカーボーイ...多すぎるので割愛します、あとは自分で調べてみてください(笑)

ノーザンテーストは時代遅れの傍流血統の集いとも言われていた日本競馬を、当時のトレンドでもあったノーザンダンサー系の繁栄に成功させ、さらに産駒のアンバーシャダイメジロライアンを輩出し、後継にも成功するなどノーザンテースト系を確立させることに成功しました!

 

では、現在のノーザンテースト系の種牡馬って何しているのでしょうか?答えは次のお話に書いておきます

 

血統解説と現状~ノーザンテーストをもっと知ろう!!~

父は以前解説したノーザンダンサー、母はレディヴィクトリアという馬で母父がヴィクトリアパークという血統です。ヴィクトリアパークはカナダの名馬で二歳三歳最優秀牡馬にも輝いておりカナダ競馬殿堂入りの馬になります。ちなみに母のレディヴィクトリアはノーザンダンサーの父ニアークティックの半妹...あれ?

そうなんです、ノーザンテーストって母母と、父父母が同じという実はかなりの近親配合の血統なんですよね!(人間で例えると、自分の叔母と結婚して子供作ったみたいな感じです、キャー!!)

ノーザンテーストの特徴は万能!とにかく距離、ダート問わず、自分のベストの条件だったら強い!!というチートみたいなタイプです!

そしてこの馬を語るのに必要な言葉があります

ノーザンテーストは三度変わる」

ノーザンテーストは二歳の時から成長、また古馬になって成長するという二段ブーストのような馬が多かったとも言われています。このノーザンテーストの格言を実際に実現させたのがラッキーライラックだとは先生は思ってますよ(父のオルフェーヴルノーザンテースト持ち)。

そして本題に入りますが、さっきから血を持っている馬はいるけど直系の話は全然しないですねと思っている方もいると思いますが。

その通りです、現在日本にはノーザンテースト種牡馬は存在しませんし直系の出走も0です...何とも言えませんよね、これが栄枯盛衰ということなのでしょうか。こんな血統を大事にしなかった日本馬産もおかしいと批判している方もいれば、実際に活躍馬に牝馬が多かったから仕方ないという方もいます。そこは個人の考えなので何も言いませんが。

ちなみに中国競馬では直系が走っているとは聞いたことがありますが、現在はどうなんでしょうか、あまりあの国の競馬事情は謎に包まれすぎてわからないです。

まとめ~本日のおさらい~

要するにまとめるとこんな感じになるよ!

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はい、というわけで今回のお話はここまでとなります!こんなにすごい種牡馬でも直系が残らないとは本当に子孫の繁栄は難しい!そんなことも感じさせるような馬だとは思います。

今回のお話で何か質問があれば、こちらのほうで受け付けますのでよろしくお願いします✨

匿名で聞けちゃう!雨星 白沢@競馬Styleさんの質問箱です | Peing -質問箱-

次回は...正直どのノーザンダンサー系から話せばいいかわからない!!気分で話しやすそうなところからお話していきます。よろしくお願いします!あと最後にですが、血統や種牡馬について疑問に思ったことをマシュマロの方で募集していますのでこちらの方もよろしくお願いします✨

marshmallow-qa.com

ではでは、最後まで受講ありがとうございます!また次回お待ちしております!

先生の意見文というか考え~血統と馬券について~

みなさんこんにちは!白沢先生です、梅雨のシーズンに突入しましたね。じめじめむしむししていますが体調には気を付けていきたいところです(ちなみに先生の出身地沖縄では梅雨は明けた模様)

というわけで今回の記事の本題に行きたいと思います。

先生はサンデーサイレンスミスタープロスペクターといった今も子孫が活躍中の血統を軽く解説したり、血統の歴史について取り上げてきました。ここである疑問にたどり着くことになりました。

「実際に血統とか学んで役に立つんですか?」

競馬を予想する時、みなさんどういったファクターを使いますか。
競馬新聞の予想家の予想を参考にする、調教タイムを見る、また調教のVTRから判断する、近走成績を見て判断する、馬体チェックなどいろんなものがあると思います。

その中に血統ももちろん含まれるわけです、ただ大雑把に血統といっても色んな種類があります、というわけで今回はこの血統で勝ち馬を予想するとはいったいどういった物が存在するのか、これについて語りたいと思います!

※あらかじめ言っておきますが、この記事は必ずこれが正しい!これはダメな予想だ!というのを主張することではございません。あくまで中立的な立場での個人的主観が含まれているのをご了承ください

 

ファクター、決め手としての血統

先ほど言った通り、血統は競馬予想の1つとして使われることがあります。しかしながら昔同じ血統予想を使っているはずの二人がとある競馬TV番組で口論になった白熱のバトルになったことがあります。(詳しい内容は「ちゃんちゃらおかしいよ」で検索してみてください)

というように、実際に血統予想って実は種類が分けられているんですよね、というわけで実際にどういった物があるか、そして個人的なメリットデメリットを一緒に見ていきましょう!

血統を傾向として見る~客観的データ判断タイプ~

これは結構やっている方が多いと思います、過去5~10年の1~3着馬の血統を分析して〇〇系が有利で抑えるべき!〇〇系は複勝率、回収率が高いから穴として最適だよ!といった感じの予想のやり方です。

メリット
  • とにかく知識が最低限で済む、早くできる

一番のメリットはこれなんですよね、だって血統表見てこの馬の血が入ってるからこの馬を選ぼう、ただの共通点探しになるんですよね。(たまに米国型ノーザンダンサー系と言ったように少しは名称を覚える必要もありますが)

血統表が読める、その馬を見つける観察力があるだけで簡単に出来るんです。だからこそやりやすく、初心者にもお勧めできるんです。

  • 客観的に判断できる 

 結構予想って主観的なものが入ると思います、「この馬強いと思うけどなー」とか、「見た感じ踏み込みいいしパドック完ぺき!」とか結局主観が大きく含まれている可能性があります。ですが、これの場合はデータを重視するのでデータから参考にする客観的な判断を可能にするんですよね。

デメリット
  • 距離変更、コース変更、馬場に弱い

この予想スタイルの最大のデメリットはおそらくこれだと思います、いくら過去の血統データがあったとしても代替開催や今年から距離が変わったレースにはデータというのが一瞬で水の泡と化してしまいます。あとこういうデータは数少ない不良馬場とかになると信頼度が落ちたりする場合があります。良馬場と不良馬場では求められる力が違いますしね。

  • データに当てはまる馬がいない、もしくは矛盾するデータがあると難しくなる

これは極端ですが、データに当てはまる馬が存在しない、そうなるとこの傾向は何の役にも立たない、ということがあります。母父〇〇系は走る!といってもいなかったら無意味ですからね。さらには時々〇〇を持つ馬は強い!!だけど〇〇持ちは不向きだ!!という場合どっちだよ!!!ってなるじゃないですか、結局どっちを取るかで主観が入っちゃうんですよね。

血統から得意分野を見抜く~配合判断タイプ~

もうひとつは血統の組み合わせでこの馬の適正能力を見抜いちゃおう!という配合を中心としたタイプです。これは血統予想の中では難しいほうに入ります

メリット
  • 初条件の予想が容易になる

このスタイルの一番の特徴といってもいいじゃないでしょうか、「母系がヨーロッパのタフな馬場で実績を残している種牡馬だからこの馬は不良馬場も苦にしない!」

「この馬は母系がダート実績の馬だらけの配合だから実はダートは得意中の得意!」といったことが容易にできることです、これはデータと違い0からでも推測が可能、新馬戦でも使えます。

  • データに囚われない予想が出来る

 もう一つはデータに囚われないということです、そもそもの配合が少ないレア配合やレア種牡馬などに対しての判断が容易になります。種牡馬成績でも頭数が少なすぎてリーディングが低すぎてデータがあてにならない、矛盾するデータがあるけどこれはこのパターンだなといった時に使えます。

デメリット
  • 知識が必要(デメリットとしては微妙、血統面白いですし)

実際この技を身に着けるには知識が必要です「この種牡馬アメリカで活躍した」「イギリスで栄えている」「オーストラリアの名種牡馬だ」「晩成だ」...さらには適正距離や歴史といった知識まで身に着けないとわからない場合があります。

  • 予想に時間がかかる

 データ派と違い格段に時間がかかると思います、一頭一頭の血統表を見てどんな配合か把握してそこから距離や条件を求めちゃうので慣れてても難しいです。

  • 主観になることが多い、結局どこから受け継いでるのかわからない

とにかく最大のデメリットだと思います、最終的に配合見てどんな馬か判断するのは自分自身です、おそらく違う回答を出す方もめちゃくちゃ多いと思います。データという客観的なものではないですからね。

 

というのが大まかに分けられるタイプなのではないかと思います、みなさんはどのような血統予想を取り入れていますか?もっと詳しく分けられると思いますが、先生的には極端に言えばこの二つだと思います。

この二つは大体正反対みたいなものなので、この二つを線上にすることで自分の血統予想の立場が分かるのではないかと思っています。

 

以上が先生が思う血統をつかった予想のやり方の解説になります!これは最初に言った通り、先生の主観が大きく入っているため反論があるかもしれません、ていうかおそらくあると思います。自分にピッタリ合うような血統予想をしてみてくださいね!あと血統予想を予想に取り組んでいるみなさんは、どんな予想をしていますか?皆さんの考えを聞かせて欲しいです✨

匿名で聞けちゃう!雨星 白沢@競馬Styleさんの質問箱です | Peing -質問箱-

peing.net

それでは、今回は先生のブログ初の試み、馬券に関するお話に付き合っていただきありがとうございました...!来週はしっかりノーザンダンサー系の続編を投稿したいと思います!よろしくお願いします!

(ちなみに先生はどちらかというと配合論です、ただまだまだ難しいところはデータに頼ってます)

白沢先生の血統解説 第22回 ノーザンダンサー編

みなさん、今日もこんにちは白沢先生です!ダービーも終わり、ついに2歳戦が始まったわけですが、それよりも安田記念ですよ。グランアレグリア、本当に強くなりましたね。スプリント組が前に行ったことでスプリント経験が活き、いい折り合いがついたすごくいい勝ちっぷり、本当のグランアレグリアを見たような気がします。(池添さんは右目をお大事に)

というわけで今回は、血統解説のコーナー!!新シーズン、ノーザンダンサー編です!前回まで解説したミスタープロスペクターに並ぶ二大巨頭、この馬がいなければ日本はもちろん、世界の競馬界は180°違っていたかもしれない、そんな名種牡馬になります。それでは早速まいりましょう!

Nothern Dancer(ノーザンダンサー

ノーザンダンサーは、1961年にカナダで誕生。生産者はカナダの大富豪エドワード・プランケット・テイラー氏で、父のニアークティックもまた彼の生産馬、母のナタルマは彼の所有馬でした。名前の由来は父がニアークティック(新北区)、母父がネイティヴダンサー(先住民の踊り子)からノーザンダンサー(北の踊り子)と名付けらているわけですね~。

そんなノーザンダンサーでしたが、生まれが5月27日で成長しても小柄のままというあり様、セリに出されても売れず(まあ生産者が良血だから強気の価格で販売したせいもある)、結局テイラー氏が所有することになりました。

ちなみに気性が荒すぎて他の馬をいじめる、小屋の壁を壊す、2歳のくせして牝馬に発情する、調教でまたがると暴れて振り落とそうとする。その結果一度テイラー氏は去勢も考えたことがあるそうですが、ここで専属調教師さんが何かを感じたのか去勢を踏みとどまるように助言、どうにか去勢は免れたそうです(ここ歴史的判断すぎます)。

競走成績~カナダが生んだ歴史的名馬~

そんな気性が荒い遅生まれで貧相な体なノーザンダンサーだったが、父譲りの脚部不安もあってデビューもやや遅くなるという有様。そんな中行われたデビュー戦ですが、ここをなんと6.3/4馬身差で圧勝、その後も惜敗はあるものの、コロネーションフーチュリティというカナダ最高峰の2歳戦(ダート9ハロン)に参戦、なんと2着馬に6馬身1/4差で快勝し、文句なしにカナダ最強の2歳馬となりました。

そして、ここで馬主のテイラー氏はこう言いました

アメリカに殴り込みに行くぞ」

もともとテイラー氏はカナダ競馬がアメリカから格下に見られているのが嫌で、カナダ産馬を向上させるという執念で生産を行っていたことでも有名です。

こうして、カナダ2歳王者ノーザンダンサーアメリカ遠征が始まりました。まずはダート6ハロンの一般競走、ここでも格の差を見せつけ2着に8馬身差をつける快勝、次のレムセンステークスでも2馬身差とアメリカでもこの馬の凄さが伝わり、翌年のケンタッキーダービー優勝候補までと認知されるようになりました。

ここまでが2歳戦、戦績は7-2-0-0と文句なしのパフォーマンス。

さて、年が明けて3歳になったノーザンダンサーですが、レムセンステークス後の裂蹄に発症しておりフロリダの温かい気候で休養、ここで装蹄師の神技術により裂蹄は改善され、無事に2月から始動することになりました。

そして3歳初戦の一般レース、さすがに圧勝かと思いきやここで人生初めて3着に敗れてしまいました。あれ?と思いましたが、その後は何事もなかったのように連勝を重ね、いざケンタッキーダービー出走することになりました!

ケンタッキーダービーでは2番人気4.4倍のオッズがつけられ出走、4角手前で先頭に立ち追い詰める1番人気ヒルライズを半馬身差振り切り優勝!この瞬間、カナダ産馬初のケンタッキーダービー馬、さらにはケンタッキーダービー当日に誕生日を迎えていない馬として初めての優勝となりました!テイラー氏の米国に負けない馬づくりの精神が身を結んだ瞬間ですね...!(ちなみに時計も優秀で現在でも歴代3位らしいです)

その後、2冠目のプリークネスステークスでも2番人気というアメリカ人のプライドが許さないオッズで出走、ここでも直線手前で先頭に立ち2着(ヒルライズ)に2.1/4馬身差で快勝、横綱競馬を見せつけました。そして3冠目ベルモントステークス、まさかカナダ初の米国三冠馬になるのかと思いきや、ここで3着に敗れてしまいます。最後の一冠は惜しくも逃しましたがアメリカの二冠馬の称号を手にしたノーザンダンサー、これにてアメリカ遠征はおしまいになりました。

そして、カナダに凱旋したノーザンダンサーはカナダの最大レース、クイーンズプレートに出走、馬場入場の際はもう拍手喝采、それはそれはもはやノーザンダンサーのためにあるといってもおかしくないレースでした。圧倒的一番人気で挑んだこのレース、そして国民が望んでいたかのようにここを2着馬に7馬身半差つけて圧勝。文句なし、お前が最強だと言わんばかりのレースだったそうです。

その後はアメリカ遠征に挑みますが、ここで屈腱炎を発症、結局クイーンズプレートが最後のレースとなり引退となりました。競走成績18戦14勝、内訳14-2-2-0という着外なしの完ぺきな成績、あんなに小柄で遅生まれの馬がここまで成り上がるのですから、本当に競馬は分かりませんね!

種牡馬成績~第二の伝説~

引退後、テイラー氏が所有する生まれ故郷のウインドフィールズファームで種牡馬入りしました。1968年に初年度18頭の産駒がデビュー、初年度からカナダの年度代表馬ヴァイスリーガルを輩出、さらにアメリカで産駒の評判も高くアメリカで種牡馬をやってほしいと関係者からも言われ、アメリカにある支場にノーザンダンサーを移動させました。そして、産駒二世代目に種牡馬としてのノーザンダンサーの株を高めたある馬が現れます。

イギリス三冠馬ニジンスキーです、この馬が現れノーザンダンサーアメリカ、カナダだけでなく競馬の本場イギリスでも「ノーザンダンサーヤベェ!!!」と認知されていきます。その後も米国ではストームバード、欧州ではリファールサドラーズウェルズといった馬が大活躍し、1970,77,83,84年イギリスリーディングサイアー、1971,77年アメリリーディングサイアーというわけの分からないことをします。さらにこの馬の凄いところはもう一つあって、血統で初めて世界競馬を占領するというとんでもないことを成し遂げたのです。どういうことかというと、世界に散らばったノーザンダンサーの産駒が種牡馬となり、喧嘩することなくそれぞれが大成功するというチートみたいなことを成し遂げちゃったんですよ...そのため、血統表を見ると父がノーザンダンサーの血を持っている、母がノーザンダンサーの血を持っているというのがほとんどです。ヒーコワイ。

その結果種付け料は1万ドルから全盛期では95万ドル、現代価格だと2億円越えというわけの分からん価格になりました。ある人が「ノーザンダンサーの精液は同量の金と同じぐらい」と比喩してたぐらいですし、本当に恐ろしい...

(これがどれくらい凄いのかというと、8年連続日本リーディングサイアーディープインパクトが全盛期でさえ4000万円です)

代表産駒は挙げられません、多すぎます(笑)

血統解説~もっとノーザンダンサーを知ろう!~

父のニアークティックはカナダの年度代表馬で、産駒はノーザンダンサー以外にもノノアルコアイスカペイドという馬が活躍、種牡馬としても一定の影響を与えました。

母のナタルマは競走成績は並な馬ぐらいで、テイラー氏が35000ドルで落札した馬になります。その母のアルマームードサンデーサイレンスの父ヘイローの祖母でもある名牝、さらに時間を進めるとクロノジェネシスの父バゴもこの牝系出身になります。

タイプはもはや世代が進み、多様なタイプが出ているので一括りにまとめるのは難しいですね...後々に色んな後継を紹介していくつもりですので、よろしくお願いします!

まとめ~今日のおさらい~

と、長くいろいろ話してしまいましたが、端的にまとめるとこういうことになります!

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はい、というわけで今回のお話はここまでとなります!やっぱりノーザンダンサーは偉大ですね、さすが世界競馬を牛耳る血統だ...次回からはノーザンダンサー産駒の後継種牡馬の解説になるのでよろしくお願いします!

今回のお話で何か質問があれば、こちらのほうで受け付けますのでよろしくお願いします✨

匿名で聞けちゃう!雨星 白沢@競馬Styleさんの質問箱です | Peing -質問箱-

次回は...おそらくノーザンダンサー編の導入か、先週話した通り、血統の歴史について語りたいと思います。よろしくお願いします!あと最後にですが、血統や種牡馬について疑問に思ったことをマシュマロの方で募集していますのでこちらの方もよろしくお願いします✨

marshmallow-qa.com

ではでは、最後まで受講ありがとうございます!また次回お待ちしております!

 

お知らせ

みなさんこんにちは、白沢先生です!今日はサプライズで記事を更新します。

地方ではもう二歳戦が始まり、新種牡馬が鎬を削っております。今年はモーリス、ドゥラメンテといった社台が送り出す二大巨頭の他に、リオンディーズホッコータルマエ、さらにはラブリーデイミッキーアイルといった並々ならぬGI馬が勢ぞろい。

というわけで、やりたかった謎の企画がやっと固まったので発表させていただきます!

 

「FLG(フレッシュリーディンググランプリ)」開催いたします!

 

はい、というわけでシンプルなタイトルなこの企画いったい何をするかといいますと。

種牡馬の地方・中央含めた総合ランキング上位を予想してもらいます。ただし、皆さんが思っている新種牡馬のランキングではありません。

AEIのランキングの上位を予想してもらいます。

ここで、AEIという聞きなれない単語が出てきたかと思いますが、簡単に説明します。

(うるせー!しらねー!という方は下にある目次からルールの方へどうぞ)

AEIって何?

AEIとは通称アーニングインデックス全競走における競走馬1頭あたりの収得賞金に対する、ある種牡馬の産駒1頭あたりの収得賞金の比率をあらわしたものになります。つまり

私たちが普段見ているランキング→総獲得賞金なので頭数が多いと有利

AEI→産駒一頭がどれだけの金額を平均稼いでいるか、産駒の平均の質を測定するもの

という感じに分類できます。

ここで大事なことはたった一頭の産駒が活躍するととんでもない数値をたたき出すことがあります。

では、改めてルールを発表させてもらいます

ルールや優勝したら何かあるんですか?

 

この企画を一緒に考えてもらった先生の弟子、馬成あがり(@umanari_agari)さんが草案したルールを採用したいと思います。

馬成あがりさんのTwitterはこちら

馬成あがり@競馬Vお姉さん🐎🍵 (@umanari_agari) | Twitter

 

 

まず皆さんには、新種牡馬の中からAEIが1位になると思う馬を3頭指名していただきます。

(新種牡馬が分からないよーって方へ、こちらで先生がまとめてあるよ!)

新種牡馬図鑑 - Google スプレッドシート

その指名した3頭の中に1位となる馬がいた場合、優勝となります(1位の方が複数いた場合は、残りの2頭でより上位の馬を当てている人が優勝となります)

 

=====

具体例:

Aさん→2位・3位・8位の馬を指名

Bさん→2位・4位・6位の馬を指名

Cさん→1位・2位・10位の馬を指名

Dさん→1位・3位・4位の馬を指名

Eさん→1位・2位・7位の馬を指名

 

上記の場合だと、1位を指名したCさん・Dさん・Eさんが上位で、更にCさん・Eさんは2位を当てていて、そしてもう1頭が7位と10位なので、7位の馬を指名できたEさんが優勝となります🌟

次いで準優勝がCさん、3着がDさん、4着がAさん、5着がBさん…という感じです♪

=====

 

優勝者には3000円分・準優勝の方には2000円分・3着の方には1000円分のAmazonギフト券をプレゼントさせていただきます🎁

(同率となった場合は、例えば優勝者が2人なら準優勝の分と半分で2500円ずつ…といった形で山分けとなります)

参加条件

参加条件としては二つあります

投票締め切りは最初の中央競馬新馬戦終了後の6/7(日曜日)まで!

その他わからないところや質問などがあったら、こちらの質問箱へどうぞ!ちゃんとお答えしたいと思います!

匿名で聞けちゃう!雨星 白沢@競馬Styleさんの質問箱です | Peing -質問箱-

以上です!

皆様の参加をお待ちしております~!

 

凄く大雑把にまとめた血統の歴史

お久しぶりです、白沢先生です!最近書く気力がないのが少々悩みどころ...ネタを作るのはほんと大変ですね、自粛生活も飽き飽きしてきたところ...まぁこれは仕方ないことなんですが(笑)

さて、久しぶりの記事は競馬の歴史の続編的な感じの、血統の歴史について簡単に分かりやすくお話していきます!

(あまり関わりないですが、続編的立ち位置なので前回の記事も貼っておきます)

amahoshi-lab.hatenablog.com

そもそも競走馬の血統って何ですか?

これは前回の記事でも少しお話しましたが、忘れている方が90%(そもそも初めて見ました!!という方が多そう)なので、ここでもお話します。

昔、貴族の遊びとして競馬が盛り上がっていた時、ある貴族がこんなことを言いました。

「強い馬と強い馬を配合させたら、その子供はさらに強い奴ができるんじゃね?」

こうして、強い馬は繁殖として子孫を残すという文化が根付きました。その後にある基準が出来上がりました。

「競馬で走る馬は"血縁関係がはっきり証明できるように"しないと駄目」

こうして競馬で走る馬はどの馬を父、母、祖父母にしているのかをはっきりさせないと競走馬として認めん的なルールが出来ました。この"血縁関係をはっきりと証明できる"証明書的なものが血統書、その血統書を持つ馬をサラブレッドと呼ばれるようになりました。

現在で走っている競走馬はサラブレッド(ばんえい競馬とか除く)で、必ず一頭一頭この血統書が付いています。この血統登録は1791年から厳格にされているので...なんと一頭一頭に230年前のご先祖様の馬がわかるということです。これが凄いところ...!本当に先祖がはっきりしていない場合、サラブレッドとして認めないことがあります。


 2015年9月28日に開催された国際血統書委員会年次会議においてタイ血統書のサラブレッド登録機関としての承認が取り消されました。

 今後、タイ産の馬はサラブレッドとして登録できませんのでご注意ください。

出典:タイ血統書の国際承認取り消しについて - 軽種馬登録ニュース(2015/10/29) | 公益財団法人 ジャパン・スタッドブック・インターナショナル

 さて、これでまず血統については何となく理解できたかなと思います。ここで出てきたのはサラブレッドのご先祖様という単語です、これを踏まえて続いては本題の歴史について話していきましょう✨

サラブレッドのご先祖様

時は血統登録の文化がなかった時代までさかのぼります、競馬の本場イギリスでは先ほど言った強い馬を作るための品種改良がおこなわれていました。ここで繁殖を行っている馬たちはもともと軍馬だったなど様々な経歴の持ち主だったり...だったそうです。最初期に繁殖を行っていた牡馬(種牡馬)は100頭以上いると言われていますがその中でも三大始祖と呼ばれる馬が現在のサラブレッドのご先祖様になります。

その三大始祖の名前はダーレーアラビアンゴドルフィンアラビアンゴドルフィンバルブ)、バイアリータークといいます。現在の競走馬の父親...またその父親と辿っていくと必ずこの三頭にたどり着きます。ではお次にこの三大始祖のプロフィールについて軽く説明します!

バイアリーターク

以前、少しだけ記事で書かせてもらいました。

白沢先生の血統解説~番外編 バイアリーターク編~ - 雨星血統研究室

この三大始祖のなかでは最も早く生まれた馬で、元々はオスマン帝国(現トルコ)軍の軍馬だったところをバイアリーさんが奪ってきてイギリスにやってきたというのが有力説とも言われています。軍馬として素晴らしいスピードをかけ備えていた本馬は種牡馬としても大活躍...というわけでもなく、他の三大始祖と比べても勝ち上がりも悪くいつ子孫が絶えてもおかしくない状況でした。しかし、玄孫のヘロドによって世界中の競馬界に影響を与えることとなりました。日本での代表馬はシンボリルドルフメジロマックイーンなどが挙げられます。ウマ娘でも有名な二頭ですね。

ダーレーアラビアン

三大始祖の中では二番目に若い馬で、元々は中東のシリアの遊牧民が生産した馬です。日本でもおなじみダーレージャパンファームのダーレーはここから由来しています。これも昔のことなのでどうやってイギリスにやってきたかは謎ですが、一説ではダーレーさんが略奪してきたという説もあります。こっちは種牡馬として成功、最初期の名馬フライングチルダーズを輩出、その全弟の未出走馬バートレッドチルダーズが種牡馬として大成功を果たします。その後曾孫のエクリプスがその血を世界に広げ...今では90%以上の競走馬がダーレーアラビアンを祖としています。あなたが知っている馬もダーレーアラビアンの直系の可能性が高いです(ちなみに乗馬用の馬もほとんどらしい)

ゴドルフィンアラビアンゴドルフィンバルブ)

三大始祖の中では最も若いにもかかわらず、その生涯はほとんど謎に包まれているというで、小説にもなっている馬です(知られているのは猫が好きぐらい)。最初はなんと牝馬の発情確認に使われる当て馬として供用されていました、その後に代役として種付けした牝馬からケードとラスという馬が大活躍、その後に正式に種牡馬入りしたという経歴を持っています。その後ケードの子マッチェムから世界に血が広がっていきました。

 

まとめ

こうして競走馬の血統としての歴史が始まったわけです、これでも本当に導入に過ぎない感じで探求するともっともっと奥深さを感じ取れるので独自に調べてみるのもいいと思います...!最後に軽くまとめて終わりたいと思います!

  • 強い馬を作りたい→なら強い馬で子供を作ろう→三大始祖の登場
  • 血縁関係をはっきりさせよう→血統書の登場

おおよそこの解釈で大丈夫だと思います...多少間違っているところもあるかもしれませんが...

 

今回のお話で何か質問があれば、こちらのほうで受け付けますのでよろしくお願いします✨

匿名で聞けちゃう!雨星 白沢@競馬Styleさんの質問箱です | Peing -質問箱-

次回は.ノーザンダンサー編の導入になると思います、現代競馬のミスプロに並ぶ二大巨頭の一頭です、楽しみですね!

ではでは、最後まで受講ありがとうございます!また次回お待ちしております!